2021.08.10 08:30
第30回まんが甲子園入賞作品紹介 決勝戦テーマ「30度目の正直」
最優秀賞 宇都宮文星女子(栃木)
2位 高知商業(高知)
3位 富山第一(富山)
審査委員長賞 松山東(愛媛)
まんが王国・土佐推進協議会会長賞 東北生活文化大学(宮城)
三菱電機賞 新居浜工業(愛媛)
全日空賞 高岡龍谷(富山)
高知市町村振興協会賞 宇都宮中央女子(栃木)
高知県高等学校文化連盟会長賞 呉武田学園武田(広島)
---【特 別 賞】ーーー
やなせたかし賞 京都精華学園(京都) =第1次競技作品
帯屋町賞 伊東高校城ヶ崎分校(静岡)
---【その他協賛賞】ーーー
三谷組HD賞 黒石(青森)
地元応援団賞 桐光学園(神奈川)
e book japan賞 新居浜工業(愛媛) =第1次競技作品
《審査員講評》リアリティー追求 ■ 明るくかわいらしい
初のオンライン形式で、アイデアと画力を熱く戦わせた「第30回まんが甲子園」。審査委員長代理のくさか里樹さんによる全体講評と、最優秀賞、2位、3位の作品評を紹介する。
【全体】
リモートだと忘れるくらいみんなの熱が伝わったことと、レベルがものすごく高かったこと。その二つの感動が冷めやらないです。オンライン形式の今回が初めてのまんが甲子園だった生徒も多いと思うが、自分たちの力を一枚の紙にぶつけるのは今までと全く同じ。戦う場所や形は違っても、まんが甲子園の魂は受け継がれていくんだと感じた。
【最優秀賞】
コメントが難しいほど、非の打ちどころのない作品。きちんとテスト用紙に見えるし、文字のレタリングにこだわった成果も出ている。回答は手書きの文字にしており、リアリティーを追求している。問題文の内容も面白い。内容は「30」尽くし。この子は「三十」という名字で、上靴にも三十と書くなど細部まで工夫がある。画面がすっきりしていて配色が抜群。全体的に抜かりなく仕上げた。
【2位】
明るさやかわいらしさが前面に出ている。素直さが良く、画力も高かった。一番好きなのは、29回外した矢がハート形に現れるところ。髪や顔の影なども、隙間なくきれいに仕上げた。強いて一言言うなら、女の子とは最初から両思いでない方が良かったのでは。女の子が見てないところで男の子が一生懸命弓矢を放ち、最後の一発を射る努力を見ていた女の子がほれる―みたいな描写だったら、より良かった。
【3位】
30回目の緊急事態宣言。今年のネタとしては外せないが、同じようなネタは他にいくつもあった。僅差だが、この作品が受賞した理由は、動物目線で描く工夫があった点。首輪を付けている犬は散歩をしたがり、自由に生きてきた野良猫が「30回で終わるわけないにゃん」と冷静な描写にひねりがあった。希望を発信しているようで、周りの状況は無機質でクールな雰囲気も画面から伝わる。