2021.06.21 08:32
第70回高知市夏季大学 講師の横顔(1)
7月12日に開幕する第70回高知市夏季大学の講師11人を紹介していく。
人はみな大河の一滴
私たち人間はちっぽけな存在である―。
五木さんのエッセー「大河の一滴」。20年以上前に出版されたこの本が、新型コロナウイルス禍が続くいま、再び注目されているという。
「私たちの生は、大河の流れの一滴にすぎない。しかし無数の他の滴たちとともに大きな流れをなして、確実に海へとくだっていく。(中略)いま私たちはゆったりと海へくだり、また空へ還(かえ)っていく人生を思い描くべきときにさしかかっているのではあるまいか」
人生は苦しみと絶望の連続であり、「本当のプラス思考とは、絶望の底の底で光を見た人間の全身での驚きである」とも。その人生観には終戦時、妹を背負い、弟の手を引いて朝鮮半島の38度線を越えた引き揚げ経験も色濃く影響しているようだ。…