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2025.11.04 08:18

「『無理』実現の熱意を」高知新聞元中芸支局長がトークショー 高知県馬路村

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往時の取材経験を基に、白熱した議論を交わす中芸支局長経験者(馬路村の魚梁瀬多目的施設)

往時の取材経験を基に、白熱した議論を交わす中芸支局長経験者(馬路村の魚梁瀬多目的施設)

 高知新聞の“生命線”である地域のニュースを発掘、発信するため日々奔走しているのが、県内に12ある支社・総支局の記者たちです。このうち2支局管内の市と村の有志が「支局長経験者を招いたイベント」を企画しました。土佐清水市を担当する清水支局長と、馬路村など中芸5町村を担当する中芸支局長の経験者によるトークショー・座談会。開催日も偶然10月25日で同じ。地域の皆さんとの思い出や活性化への提案を熱く、時に緩く語った様子を現役の両支局長が紹介します。

 馬路村では、魚梁瀬ダムの完成から60年を迎えた魚梁瀬地区のイベントに合わせ支局長トークが開かれました。約80人を前に、元高知新聞社員の依光隆明さん(1985~87年度)、掛水雅彦さん(88~90年度)と、現役社員の矢野憲州(96~98年度)、浜崎達朗(2012~14年度)の4人が登壇しました。

 ダム建設に伴う集落の集団移転後、多くの変化に向き合ってきた魚梁瀬。4人は、魚梁瀬杉に代表される林業が隆盛したのち、営林署が閉鎖し、農協の合併問題も議論となった激動期を回顧。県内でいち早く導入した家族同伴での山村留学など、地域おこしの取り組みの取材経験を振り返りました。

 1965年に1053人だった人口は133人まで減少(9月末現在)。地区や村をどう存続させ、盛り上げていくかで議論は白熱しました。

 登壇者は「できないと言われたところからが始まり」と強調。教育面の魅力創出や医療拡充、ふるさと納税の強化など、巻き返しを図るさまざまなアイデアを出し合いました。

 とりわけ来場者の記憶を呼び覚ましたのは、ダム湖で89年に開かれた加藤登紀子さんのコンサート。中芸地域の青年団などが団結し「伝説」と語り継がれている催しに、登壇者の一人は「無理と言われたことを実現する熱意が地域全体にあった。その感覚を思い出して」と力を込めました。

 「はみ出し者」とされた職員が、ユズ加工品で村農協を全国区にした歴史にも言及。「自分の知恵を使って真っ先にやった方が勝ち。馬路はそれをやってきたし、まだ可能性がある」とエールを送りました。

 山﨑出村長もマイクを握り、「とんでもないアイデアを実現するのが得意な村。(交流人口拡大を図る)約1万人の『特別村民』をもっと生かすなどして、挑戦を続ける」と決意を語りました。(中芸支局・深田恵衣)

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