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2025.06.26 05:00

小社会 おばあちゃんの歌

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 おばあちゃんが一年に一度だけ泣きながら歌うのだという。〈うんじゅん わんにん 艦砲ぬ 喰(く)ぇー残(ぬく)さー〉。あなたも私も艦砲射撃の食べ残し。先の沖縄全戦没者追悼式で、11歳の城間一歩輝(いぶき)さんが朗読した「平和の詩」が心に響いた。

 80年前の沖縄戦。壕(ごう)に隠れていた祖母は、米兵に手りゅう弾を投げ込まれ大けがをした。戦後も心身の傷は残り、「あの戦の時に死んでおけば良かった」。だが、孫が生きていてくれてありがとうと伝えると「生き延びたから命がつながったんだね」と答えた。

 沖縄民謡「艦砲ぬ喰ぇー残さー」の歌碑は12年前、読谷村に建てられた。作詞作曲した比嘉恒敏さんの人生を当時の本紙で読み、言葉を失った。

 1944年、学童疎開船「対馬丸」が米軍の攻撃で撃沈され、両親と長男を失った。翌45年に出稼ぎ先の大阪で空襲に遭い、目の前で妻と次男が防空壕に押しつぶされた。73年秋。宜野湾市で飲酒運転の米兵の車に衝突され、再婚した妻とともに命を落としている。その生涯が沖縄の苦難を映し出す。

 戦後80年の国際社会で、空爆やミサイル攻撃のニュースが続く。「自衛」や力による「平和」の名目の下にイランで、ガザでウクライナで。街のがれきや夜空を飛ぶミサイルが光る映像を見慣れてしまった異常さに、ふと気づく。

 為政者は「成果」「勝利」と言う。その言葉の先には人々の慟哭(どうこく)があることを忘れてはなるまい。

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