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2025.04.27 05:00

【自民裏金事件】うやむやで済ますのか

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 自民党の派閥裏金事件は、いつまでたっても話のつじつまが合わない。調べるほどに誰かがうそをつき続けている疑いが強まる。不信払拭には程遠い状況が続く。
 旧安倍派が政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を議員側に還流していた裏金事件を巡り、派閥の参院側トップだった世耕弘成前参院幹事長(離党)が参院予算委員会の参考人として出席したが、疑問点はほとんど解消されなかった。
 焦点になっていたのは、2022年4月、当時の派閥会長だった安倍晋三元首相の指示で中止された還流が、世耕氏を含めた派閥幹部4人が集まった同年8月の会合後に再開されたいきさつだ。
 世耕氏らはこれまで国会の政治倫理審査会などで「協議で結論は出なかった」と説明してきたものの、派閥会計責任者の松本淳一郎氏が2月の衆院予算委などで、この会合で再開が決まったと証言。食い違いが明らかになっていた。
 参考人質疑で世耕氏は「現金による還流はあり得ないというのが共通認識だった」と改めて否定。主張の食い違いについては「認識のずれがあった。松本氏が混乱したのだと思う」とした。
 世耕氏の言う通りなら、幹部らは主体的な判断を何もせず松本氏独断で還流が再開されたことになる。そんなことが本当にあるのだろうか。
 松本氏は「会合で還流再開に異を唱える人はいなかった」「幹部の1人から再開を求められた」とも言っている。参考人質疑で、疑惑はかえって深まったと言ってよい。
 世耕氏は、参院選の年に改選対象の議員はパーティー券販売分が全額還流されることも「知らなかった」とした。では派閥の参院トップは名ばかりなのか。不自然だと考える人は多いだろう。
 自民側は、今回の世耕氏の参考人聴取、さらに2月の松本氏の参考人聴取を受け入れたほか、衆参の政治倫理審査会に議員52人が弁明を申し出して審査も行われた。「政治とカネ」問題に対し、相応の説明を果たしているつもりかもしれない。
 しかし、誰が、いつ始めて、何に使ったか―。肝心なことはいまだに分からないままだ。
 党内から実態解明が進まないことを懸念する声も一部あるようだが、一方で事件に伴う処分期間を終えた党国会議員が、みそぎを終えたとして活動を活発化させている。国政の優先課題がトランプ米政権の関税措置対応になったことに乗じ、企業・団体献金の扱いを含めた「政治とカネ」問題を後回しにするような動きも散見される。
 石破茂首相ら自民執行部は、うやむやなまま事件の収束、風化を待つのだろうか。
 ただ、裏金事件が招いた政治不信の大きさは、昨年10月の衆院選での与党大敗が示す通りだ。信頼回復へ事件の実態解明が欠かせないのは言うまでもない。さらに踏み込んだ姿勢がなければ、政権の求心力の回復は望めない。

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