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2025.04.13 05:00

小社会 万博の葛藤

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 漫画「サザエさん」一家の波平さんは硬派な一面があり、実は1964年東京五輪に厳しかった。当時の作品に「バカさわぎしすぎるよ」「たかがうんどう会」と怒る場面がある。

 ところが、批判したために開会式の券をもらいそびれ、泣いて悔しがることに。くすっと笑ってしまうオチだが、こんな葛藤は波平さんだけではないだろう。五輪には光があるが影もある。時に斜に構えたくなり、けれど好奇心には逆らえない。

 もとより、国家的イベントは開催理念自体が尊い。正か負かはともかく、レガシーも残る。結果的に「やってよかった」となりがちだ。コロナ禍と醜聞続きで「異形」と評された2021年東京五輪も、閉幕後の調査は「やってよかった」が否定派の倍以上に上る。

 きょう開幕する大阪・関西万博もそのような道をたどるのだろうか。ぼやけた意義、膨らむ費用、遅れた工事…。迷走に今まで世論も冷めていたが、開幕で少し変わってきた感はある。

 一方で、そんな筋書きをいち早くけん制してきた人もいる。ノンフィクション作家の松本創さんは昨夏、「大阪・関西万博『失敗』の本質」を刊行。閉幕後の「やってよかった」の空気に乗じて、成功が恣意(しい)的に語られる危うさを指摘した。

 万博をもろ手を挙げて歓迎しにくいが、中身や意義をことさら否定もできない葛藤がある。始まった以上、「国家的イベントとは」を問う半年間にしなければ。

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