春割キャンペーンpc"

2025.04.12 08:45

「詩とメルヘン」手に取って やなせたかしさん責任編集の雑誌、香美市立図書館で貸出中

SHARE

香美市立図書館「かみーる」で貸し出し中の雑誌「詩とメルヘン」。四万十市の女性から寄贈された(香美市土佐山田町楠目の同館)

香美市立図書館「かみーる」で貸し出し中の雑誌「詩とメルヘン」。四万十市の女性から寄贈された(香美市土佐山田町楠目の同館)

四万十市の女性が281冊寄贈
 やなせたかしさんが責任編集を務めた雑誌「詩とメルヘン」281冊を、四万十市の女性(68)が香美市立図書館に寄贈した。1975~2003年に刊行されたもので、雑誌のファンだった女性が長年大切に保管していた。女性は「とても温かみのある雑誌。1冊だけでもやなせさんの愛や情熱が伝わってくるはず」。同館は「すみずみまでじっくり読んでほしい」と約100冊(11日現在)を一般に貸し出している。

 同誌は1973年創刊。サンリオが発行し、イラストレーターや詩人を発掘しようと、読者投稿を中心に掲載。やなせさんは表紙絵やイラスト、絵日記、コラムなどを担当した。掲載された詩にはコメントや挿絵も添え、随所にやなせさんの優しい思いやユーモアを感じ取ることができる。

 叙情的な作品の数々で人気を集めたが、2003年から休刊になっている。

 寄贈した女性と雑誌との出合いは、大学1年生の頃。高知市内で下宿中、隣の部屋の友人が「本屋ですてきな本を見つけたよ」と見せてくれたのが「詩とメルヘン」だった。

 まず、やなせさんが描いた表紙絵に「ずっきゅん!」。コラムではやなせさんの飾らないまっすぐな気持ちがつづられており、雑誌の優しい世界観にすぐにファンとなった。

 時には、「みなみ波子」のペンネームで雑誌への投稿も。「(やなせさんが)すべての詩に目を通してくれると知って。まるでラブレターのように投稿してました」と振り返る。

 旧中村市にやなせさんが講演に来たことがあり、出待ちをして「詩とメルヘンのファンです」と伝えたことも。詩を投稿していると話すと、にこにこ笑って握手してくれたそうだ。

 その後、初めて雑誌に掲載されたのが、心臓の病気がある長女を思って書いた詩だった。その喜びは格別で、「やなせさんは日本中にすてきな体験を届けていたんだと思う」。

 いつも書店で購入し、読んだ後はずっと自宅の収納にしまっていた。「心のエネルギーが切れそうになった時、雑誌を読んで元気をもらっていた。読者に寄り添う、やなせさんの優しさが詰まった雑誌です」

 夫から「終活しよう」と言われた時は「私の青春だから」と雑誌を処分しなかったが、やなせさん夫妻をモデルにした朝ドラの制作決定を知り、思い切って地元の図書館に寄贈。さらに昨年11月、やなせさんの故郷である香美市に譲られることになった。

 香美市立図書館の松岡可奈館長は「やなせさんを語る上で『詩とメルヘン』は欠かせない。人柄や考え方、イラストやデザイン…。たくさんの魅力にあふれている」と熱弁。「ぜひ手に取って、その仕事ぶりを見てほしい」とアピールしている。同館(0887・53・0301)は月曜と祝日、第3木曜は休館。(福井里実)

高知のニュース 四万十市 香美市 寄付・寄贈・ボランティア 本紹介 やなせたかし

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月