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2025.04.01 05:00

【ミャンマー地震】救助と被災者支援を急げ

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 ミャンマーで起きた大地震は、不明者の生存率が著しく下がる「発生後72時間」が経過した。状況は厳しくなっている。救出を急ぐとともに、被災者支援を強めたい。
 中部マンダレー近郊を震源とするマグニチュード(M)7・7の地震は、これまでに2056人の死亡が確認された。負傷者も多い。
 国内第2の都市であるマンダレー周辺の被害が大きい。ビルや家屋が倒壊し、救助活動が続く映像が伝えられる。多数の不明者ががれきの下敷きになっているとみられ、被害は拡大する恐れがある。
 しかし、重機などの機材が足りず、救出作業は難航している。国際的に孤立を深める軍事政権が、国際社会からの支援を歓迎する異例の姿勢を打ち出した。被害が深刻で、独力で対応する困難を反映しているとみることができる。
 友好国の中国やロシア、隣国のタイ、インドなど各国政府や国際機関から救助隊派遣や被災地支援の動きが相次ぐ。日本も調査チームを派遣する。被害の軽減へ協調し、長期的な対応が求められる。
 ミャンマーでは2021年2月、選挙結果の受け入れを拒む国軍がクーデターで民主政府を倒した。軍事政権は民主派を弾圧し、少数民族武装勢力との内戦が続いている。死傷者は増え、避難民も多い。
 周辺国で構成する東南アジア諸国連合(ASEAN)は内政不干渉を原則とするが、クーデターで生じた溝は埋まっていない。軍政との対立は、経済制裁を科す米欧とも深まる。経済悪化に拍車がかかって市民生活は困窮し、軍政の統治能力は弱体化が進んでいる。
 そうした中で、軍政が地震の被害情報を公開して支援を要請したことは、国際協調をにらんだ新しい動きではある。ただ、これまで中ロへの接近で支援を獲得してきた経緯もあり、地震への国際支援を得ることで軍政批判を回避する狙いがあるとの見方も出ている。
 支援活動が安全に行われるには、内戦の停止が欠かせない。民主派の政治組織「挙国一致政府(NUG)」は被災地で2週間の停戦履行を発表した。少数民族武装組織の対応が鍵を握るが、軍政側が空爆を継続しているとの情報もある。
 救援活動が広く行き届くように取り組む必要がある。対話による合意形成とその実行が不可欠だ。人道危機を高めてはならない。
 大地震はミャンマーを縦断する長大な「ザガイン断層」の一部が活動したとされる。断層にたまったひずみはまだ残っているとみられ、地震が続く可能性がある。傷ついた建物にさらなる打撃となり、被害が広がりかねない。警戒が必要だ。
 今回地震の強い揺れは千キロ以上離れた隣国タイの首都バンコクにも及び、建物の倒壊で死傷者が出ている。長周期地震動が軟弱地盤で増幅されたとみられる。日本でも注意が必要だ。詳しい分析を通し、教訓を各国の地震対策に生かすことが求められる。

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