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2023.11.02 08:33

退職後をどう生きよう? 里見和彦さん「定年のデザイン」刊行 高知新聞人気エッセー待望の書籍化!新たに30編書き下ろし

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 県立牧野植物園のデザイナーだった里見和彦さん(66)が定年退職後の日々をつづったエッセー「定年のデザイン」が出版された。高知新聞に連載されて好評だったエッセーの書籍化で、掲載された70編に書き下ろし30編を加えた増補版となっている。

 里見さんは高知市愛宕町生まれで武蔵野美術大学に進学。東京で友人と会社を立ち上げ、全国の博物館や博覧会の展示デザインを数多く手掛けた。牧野植物園のリニューアルで牧野富太郎記念館の常設展示に携わったことから、帰郷して同園スタッフとなった。

 エッセーでは牧野植物園を退職後の穏やかな日常生活を軸にしながら、さまざまな人たちとの出会い、そして忘れ得ない思い出の数々が優しい筆致でつづられていく。「いつもと同じ日に」と題された回は、こんなふうに始まる。

 〈人生は、たいしたことのない日と、たいしたことのある日でできている。ドラマティックな日のことが印象に残るけど、忘れられていく日の方がずっと多い〉

 里見さんのエッセーは、人生の転機となった牧野博士との「出会い」から、近所の散歩で見つけた草花や巡る季節のいとおしさまで、かけがえのない過去の思い出と現在の暮らしの充実が行き来する。

 定年退職というものはどんなものだろう? 自宅の4畳半の部屋をオフィスとし、仕事を始める前の散歩を「自宅への通勤」と名付ける。組織から離れ、自分の時間を自由に組み合わせながら、やりたい仕事に熱中できる。定年後をより良く生きるためのヒントが本書にあふれている。

 金高堂書店各店、県内TSUTAYA各店などで販売中。四六判、オールカラー。2200円。(竹内 一)

高知のニュース 本紹介 牧野富太郎

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