2023.09.10 04:00
朝ドラ「らんまん」の語り、宮崎あおいさん「土佐弁、とてもチャーミング。私もしゃべりたかった」
©NHK
語りとして、どんなふうに朝ドラを見守っているのでしょうか。土佐弁の印象も教えてくださいました。どうぞ!(構成=楠瀬健太)
「らんまん」をもっと深く、もっと楽しく! 牧野富太郎博士の特設サイトはこちら!
©NHK
朝ドラはたくさんの世代の方が見ている作品なので、全て聞き取りやすいように話すというのは意識しています。今回は自分に役があるわけではないので、より客観的に物事を伝えるということを意識しました。近すぎず離れすぎずの距離感でいられたらいいのかなって。
―らんまんで一番好きなエピソードは何ですか?
いっぱいありますが、私は竹雄と綾さんの夫婦がけっこう好きです。綾さんが何かあると大の字で空を見て寝っ転がっている感じと、その綾さんに寄り添っている竹雄の包み込む優しさが好きです。
©NHK
私は土佐弁がすごく好きなんです。土佐弁だからこそ、万太郎とかのキャラクターがよりすてきになっていると感じています。私も土佐弁をしゃべりたいと思いながら見ています。とてもチャーミングで、すごく好きです。
これまで土佐弁になじみがなかったので、らんまんを見てこんなにかわいい方言があるんだと知りました。それは神木(隆之介)さんら皆さんが、きちんと感情を乗せられるぐらい土佐弁を操れるようになっているからだと思います。方言を自分のものにするのは時間がかかりますし、その努力を皆さんがしているからこそ魅力的なキャラクターになっていると思います。
牧野博士はすごい方ですね。ものすごいたくさんの人に愛された方で、それは牧野博士自身の魅力や不思議な力があったからこそだと思います。(ドラマでは)万太郎を支えている周りの人たちが、万太郎を信じていて好きだっていうのがすごく気持ちよくて。見ている人も一緒に応援したくなるような、すてきな主人公だと思います。本当にこのらんまんで、想像もつかないようなことを成し遂げた牧野博士のことを知れたというのは私自身、うれしいな、いい機会だったなと思います。
©NHK
浜辺さんが演じる寿恵子は、芯のあるところがすごく魅力的だなと思います。万太郎が研究に熱中し過ぎて全然眠らない時に、「一緒に寝ましょう」って言うのに振り向いてくれないので、枕を投げたいけど投げられないみたいなシーンがすごく好きで。この人は強いなって寿恵子さんを見ていて思いますし、きゃしゃでかわいらしいのに芯の強い感じが伝わるのは、浜辺さんだからこそだと思います。万太郎を支える、すごく素敵な奥様を演じられているなと拝見しています。
―万太郎役の神木さんの魅力は何ですか?
神木さんは座長として素晴らしいと思っています。(映画「大名倒産」で共演した時も)この方が中心に立っている作品は大丈夫、幸せな作品だと思いました。それはらんまんでも一緒で、私はナレーションなのでたまに現場に顔を出すだけですが、その時にも神木さんが「いらっしゃい、ようこそ!」みたいな感じで両手を広げて歓迎してくれるので、いい座長だなと思います。神木さん自身が心から楽しんでいるから、物語がより膨らんでいる気がして。スタッフや共演者を引っ張っていくのもお上手で、神木さんが演じているからこそ、万太郎がこんなにすてきな主人公になっているんだなと思います。
©NHK
(万太郎の娘の園子ら)誰かが亡くなってしまう場面はどうしても感情が乗ってしまうので、台本を最初に読んだときにワーッと泣いて、ナレーションの時には俯瞰(ふかん)で見られるようにしました。感情を乗せ過ぎないようにはしますが、乗っていてもいいものだとも思うので、監督に指示をもらいながらその都度修正しています。
―らんまんの視聴者にメッセージをお願いします。
いろんな再会がこれからあり、万太郎と寿恵子に家族が増えてにぎやかにもなっていきます。それぞれがすてきに年を重ねていく姿を、最後まで皆さんに見守っていただけたら。私も語りの立場として見守っていくので、最後まで楽しんでいただけたらと思います。