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高知新聞PLUSの活用法

2023.05.29 08:00

小社会 入力ミス

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 2013年、カナダで開かれた「ミス・ユニバース」カナダ代表の選考大会で、信じられないトラブルが起きた。大会後に採点ミスが発覚し、優勝者が変更されてしまった。

 歓喜から一転、代表の座を譲ることになった女性に同情の声が集まったのは言うまでもない。主催団体は「心からの謝罪」を表明したが、批判を浴びたようだ。

 公表されたミスの原因にも注目が集まった。採点結果をコンピューターに入力した際、「不慣れなスタッフが選考委員の手書きによる数字を間違えて入力した」(AFP通信)らしい。別のスタッフによる確認作業もできていなかったのだろう。

 謝罪で済めばまだよい。入力ミスは時に取り返しがつかない事態を招くから恐ろしい。かつて南米コロンビアで、米旅客機の乗員が操縦室のコンピューターへの入力を間違え、その他の不幸も重なって機体が墜落した。150人以上が犠牲になった。

 墜落は極端な例としても、コンピューターの活用には人による入力作業を伴う。そこにミスが起きやすく対策が欠かせない。最近相次いでいるマイナンバーカードを巡るトラブルにも言えそうだ。

 ただし、どれもさもありなんの入力ミス。十分想定される人為的ミスを防げないのなら、膨大な個人情報を安心して委ねることはできない。デジタル社会は信頼によって成り立つ。政府も推進するなら、しっかりとお手本を示してもらわなければ。

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