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2019.10.24 08:21

【全文公開】オヤビッチャで島ランチ 鵜来島釣行記、実食編―魚信 はっぴぃ魚ッチ

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 宿毛市沖の鵜来島を訪れた本紙「魚信」班の2人。民宿「うぐるBOX」を運営する西内新一さん(42)の船でお魚との勝負を楽しんだ後は、存分に食らうのみ。

 波風が強まってきた昼前に帰港すると、西内さんが言った。「スペシャルランチにしますか?」

 クーラーボックスは連発したアカハタなどで満杯。“釣りだち”だから当然、スペシャルでは? そう思いきや、西内さんは倉庫から竿(さお)と冷凍オキアミを取り出すと、筆者を連れて岸壁を歩き始めた。

 足元に熱帯魚のような魚が泳いでいる。

 「よし、いるいる。釣ってください。できるだけ大きいのを。おいしいんですよ、オヤビッチャ」
美しい色をしたオヤビッチャ

美しい色をしたオヤビッチャ


 え? オヤビッチャ? 即リリースされる餌取りの定番、外道じゃないか。わざわざ鵜来島まで来て釣らんでも…。

 渡された仕掛けはシンプルなガン玉重りと針のみ。ぽちゃっと落とすと、いろんな魚が寄ってくる。「ツンツン、ツツン」であっさり餌が無くなった。

 意外に難しい? 楽しいぞ!

 掛けるにはこつがあった。まずオキアミを細かくつぶし、岸壁の際にまいて他の小魚を寄せておく。その向こうに、オキアミの下半身だけ刺した針をゆらゆら落とすのだ。

 鵜来島のオヤビッチャは大きく、分厚い。ぎゅんと竿を絞り込むので、親子に人気の体験だそうだ。

 半時間後、「うぐるBOX」のテーブルにオヤビッチャの姿揚げが並んだ。釣った岸壁からたったの200メートル。フードマイレージが極小の島ランチだ。
鵜来島産オヤビッチャを豪快に姿揚げ

鵜来島産オヤビッチャを豪快に姿揚げ


 塩の効いた揚げたてはカリカリ、癖のない白身はホクホク。尾びれだって香ばしい。

 船の水槽で生かしておいた大きなサバは刺し身、アカハタは焼き切りにして、冷たいそうめんをご飯代わりにいただく。ぐりぐり、もちもちの食感。筆者とカメラマンKは夢中で平らげた。
奥からオヤビッチャ姿揚げ、アカハタ焼き切り、サバの刺し身。船釣り後の体にしみた

奥からオヤビッチャ姿揚げ、アカハタ焼き切り、サバの刺し身。船釣り後の体にしみた


 前夜に供された「バラハタの南蛮」も箸が止まらぬおいしさだった。西内さんの料理はどれもシンプルだが、「冷たいものは冷たく食べる」「食べ時を逃さない」という強いこだわりがある。

 「うぐるBOX」に鍵はない。食事はあるじと客が一緒に準備する。ゆったりした島の生活にちょいとお邪魔し、居候する―。そんな感覚。だからこそ、「釣り、食らう」が純粋に味わえた1泊2日だった。(本紙・ハチ)

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