2026.03.13 13:00
太鼓が高知を熱くする! 高知ユナイテッド「ゴール裏」でドラムをたたいてみませんか?(上)
「ホームだけでもいいのでたたいてみませんか!」
「タム2台バス1台スネア1台あるのに団員不足で持て余しています」

応援に欠かせないドラム
なんと応援団メンバーがドラム(太鼓)の担い手を募っているではないか―。筆者は急ぎ高知市春野のGIKENスタジアムに向かった…。
早速「助っ人」現る
2月22日のツエーゲン金沢戦。春野のゴール裏ではがっしりした体格の男性が助っ人として太鼓をたたいていた。そう、募集の呼びかけにすぐ応えた人がいたのだった。ひとまず安心。

勝利に沸く高知ユナイテッドのゴール裏。左奥にドラムメンバーがいる(2月22日)
《土佐っぽなら》
(ドンドンドドドン ドドドド、ドドン)
奪い取れ ゴール ○○○を 倒せ
土佐の 土佐の男ならば
《+3》
オオ オオオオオ 勝ち点3取れ!
(ドンドン ドドドドン)
オオ オオオオオ 勝ち点3取れ!
勇壮にドラムの音が響いていた。やっぱり、ピンチヒッターと言ったって「経験者」だろうなあ。リズム感はバッチリだった。とはいえ担い手不足は否めず、この日もサポーターを引っ張るコールリーダーが「やりたい方いらっしゃいましたら…」などと呼びかけていた。ドラムの力もあって高知はホーム2連勝。この勢いを続けたいのに、たたく人に困っているのも何だか寂しい話である。

勝利を飾って選手、サポーターで記念写真(2月22日)
存在意義って?
というわけで3月1日、あらためて太鼓の「存在意義」を応援団に聞くことにした。教えてくれたのは高知ユナイテッドの私設応援団「Ultras Bonito(ウルトラス ボニート)」代表、西森太介さん。

バス待ちでドラムをたたく応援団代表の西森太介さん=中央=ら(3月1日)
―ドラムの役割とは?
みんなが手拍子しやすいような「ガイド」。たたく側は手をたたけない。たたいている間は声を出せないこともある。思いをこれに、託す、ぶつける。勝ってる時も、負けてる時も。
そう言うと西森さんは軽快にトトトトンとドラムをたたいた。現在は「フロアタム」と呼ばれる2台を使っている。
ストレス発散、との説明もあった。
―いいんですか?
いいです、いいです。毎週たたくことで、ストレス発散。
―「私なんかが…」とか、恥ずかしいなと思う人でもできますか?
できます、できます。今2人でやるのは、初めての人がたたいた時に(リズムが)分からなかったら困るから。分かっている人が一緒にたたいてあげる。それに「味がついていく」かんじでいい。慣れてきたらどんどん自分の「色」を出してやってくれたら。
もちろん決まったリズムはある。そこは踏襲しつつも、自分の思いをぶつける。鳴子やメガホンなどと同じ「応援ツール」の一つ。だから特別なことと思わずに、と西森さんは説明してくれた。
―たたく時に心がけていることは?
(リズムが)早くなっちゃうんですよね。そうなると歌いづらくなる。すると、声が出なくて選手に届きづらくなる。それを防ぎたい。あと、楽譜はないけれど決めているリズムはある。それを崩さないように。変な感じでやると、次たたく人が困る。
―もし太鼓をやりたい人がいたら、どうすれば?
(ゴール裏に)来てくれた方がいい。やりたいを思いを伝えてほしい。ちょっとハードル高いですかね? でも大丈夫です! ひとたびここ来て一緒に応援すれば、みんな「仲間」ですから。
この呼びかけはだいぶハードルを下げたように聞こえた。雰囲気が良さそうで楽しそうだったらどんどん入り込む。興味を持ったらやってみる。それで良いのだという。

西森さん=手前左=らが「春野じゃ、負けない」とドラムで選手を後押し(3月1日)
―ちなみに西森さんがたたき始めたのには何かきっかけがあった?
たたく人がいなかった。
―え?
こんなもんなんですよ、動機なんてものは。たたいてみたいってのもあったんですかね。でもたたく人がマジいなかったんで。
それは高知がまだ「四国リーグ」に属していた頃の話。2017、18年くらいだという。
始めた頃、西森さんはよくマレット(ばち)の先を壊していたという。「興奮して、ゴールが決まる度にこんなんしてたから」。そう言って西森さんは目一杯、マレットを打面にたたきつけるしぐさをした。「マジ飛ばしてました」。確かに喜びが爆発したら無理もなさそうではある。

大音響の源「マレット」
「飛んで、跳ねて。喜びを全部出せる。だから、みんな(ドラムを)やったらいいんです」
(藤枝武志)
ドラムをたたいてみませんか?(下)につづく























