2026.02.18 05:00
【特別国会召集】与党はおごらず熟議を

与党の大勝で、衆院の勢力図は大きく変わった。自民党は316議席を獲得し、衆院定数465の3分の2を超えた。連立政権を組む日本維新の会も36を得て、自維で4分の3を占める巨大与党となる。
これは常任委員長ポストを独占し、委員数も過半数の「絶対安定多数」(261)を大幅に上回る数だ。参院は依然、少数与党だが、参院で否決した法案を衆院で再可決、成立させることも可能になる。
だが「自民1強」でも、数の力にものを言わせる国会運営を負託されたわけではない。重要な法案や政策が控える。政府与党にはおごらず、謙虚な姿勢で説明を尽くし、野党と熟議を重ねるよう求める。
特別国会でまず取り組まなければならないのは、解散で先送りとなった2026年度予算の審議だ。
例年、審議は衆参両院で計2カ月程度かかる。このため3月末までの予算成立は難しく、4月以降にずれ込む可能性が高い。暫定予算も組みながらの審議になりそうだ。
高市首相は年度内成立を諦めていないという。国民生活への影響を少しでも回避するためとみられるが、審議時間の短縮はそれこそ国会軽視になりかねない。そもそも予算への影響を承知で解散したはずだ。
高市首相が公約に掲げた2年限定の飲食料品消費税ゼロの検討も注目される。首相は、超党派の「国民会議」で実施時期や財源などを検討し、夏前には集約したい考えだ。
しかし制度設計は簡単ではない。財源問題の行方によっては財政悪化の懸念が一段と膨らみ、長期金利などにも影響を及ぼす。税率の変更で影響が出そうな外食産業などへの対応も重要になる。
与党が前のめりになっているのが憲法改正だ。衆院では3分の2を超え、改憲の国会発議に向けた要件の一つが満たされる。
ただ、維新が戦力不保持を定めた9条2項の削除を求めるなど与党内でも論議は不十分だ。少数与党の参院は、緊急時の議員任期延長など深まっていない問題が少なくない。
衆院の議員定数削減や非核三原則の見直し論を含めた安全保障関連3文書の改定、スパイ防止法制定などの行方も焦点となる。「政治とカネ」の問題も決着していない。
時間をかけて論議すべきテーマばかりだ。衆院選で高市首相は公約について具体的な説明や論戦を避けてきた。その点からも国会で説明し、審議を深めなければならない。
野党も正念場となる。特に立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」は衆院で野党第1党だが、公示前勢力の167議席は49まで減った。新代表に就任した小川淳也氏の責務は重い。
国会には健全な批判勢力が欠かせない。中道はもちろん、野党は政権や巨大与党をしっかり監視し、論戦で存在意義を示す覚悟が要る。






















