2026.02.17 05:00
【ミャンマー選挙】民主派排除で欠く公正

ミャンマー総選挙は、親軍勢力が圧勝した。2021年のクーデターで全権を掌握した軍政による支配が事実上継続する。
総選挙は、国家顧問兼外相だったアウンサンスーチー氏が率いた国民民主連盟(NLD)を含む主要な民主派を排除して強行した。内戦下で国軍の支配が完全に及ばない郡区は投票が見送られた。
開票の結果、国軍系「連邦団結発展党(USDP)」が単独過半数を占めた。上下両院の非改選の軍人議員枠を合わせた親軍勢力の議席数は全体の8割超を占めた。
選挙強行には国際社会から非難が寄せられた。軍政は投開票の手続きを公開して透明性を訴えた。しかし、民主派排除のほか投票の監視、脅迫の証言もあり、公正さを疑う見方は根強い。今後は選挙を経た政権との主張を強め、軍政支配が長期化することへの警戒感も拭えない。
ミャンマーでは1988年にクーデターで軍事政権が発足し、スーチー氏は断続的に自宅軟禁下に置かれた。民政移管後の2015年の総選挙でNLDが圧勝し、翌年に文民政権が誕生した。
20年の総選挙でも勝利したが、21年2月に国軍が総選挙での不正を主張してクーデターを起こし、結果を無効とした。民政移管後も影響力を維持した軍は、NLD主導の政権が文民統治体制の強化を進めることに反発を強めていたとされる。
NLDは、軍政の影響縮小などに取り組んだが成果は乏しく、イスラム教徒少数民族ロヒンギャへの対応では国際社会からの批判を浴びた。このため、20年の総選挙ではNLDの後退が予想されたが、過半数の議席を獲得している。軍政に対する国民の強い拒否感が示された。
民主派や少数民族の武装勢力と国軍の戦闘は激化している。軍政の弾圧でこれまでに7700人以上が死亡した。統治強化へ軍政が攻勢を強め、犠牲の拡大が危惧される。
スーチー氏は拘束下にある。健康不安が取り沙汰される。早期の解放が求められる。
新議会は3月にも招集され、大統領を選出する。4月には新政権が発足するとみられる。
軍政は、新たに選出される大統領に対して助言や調整を担う「連邦諮問評議会」を新設した。新大統領は国軍トップのミンアウンフライン総司令官が有力候補とみられるが、評議会議長として大統領に影響力を行使する立場を選ぶ可能性も指摘されている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の総選挙の受け止めは分かれる。軍政は中国やロシアなど友好国の支援を受けて選挙の成功を主張する意向のようだ。承認の動きが広がるかは焦点だが、厳しい評価があることも意識する必要がある。






















