2026.02.11 05:00
小社会 アジテーターと衆院選

沖縄・尖閣諸島の領有権を主張する中国との対立で緊張が深まる。鈴木さんは国会議員に「行って話しあったらどうか」と提案する。
ところが議員は、こう本音をこぼす。「(そんなことをすれば)売国奴だ…と非難され、選挙にも落ちる」
安全保障とは何か。それを分かっていないと鈴木さんは記す。「安全保障を云々(うんぬん)するならば、近隣諸国と仲良くし、どんなことがあっても戦争をしないという関係を築くことが一番である。ところが、お互いを非難し合い、挑発し合っている。そのほうが国内をまとめるために有効だと思っているのだ」(「憲法が危ない!」)
インターネット空間を中心に、敵を探し、ストレスを発散するかのような言説が、むきだしになってきた。今選挙中、駆け巡った言葉に「媚中(びちゅう)派」「中国の手先」がある。そうだとされた言説や政治家は、冷笑され、攻撃された。ヘイトにも似た言論の怒張というべき現象の蔓延(まんえん)を、まるで巧みに回収するかのようにして、高市政権は歴史的な圧勝をかなえた。
政権中枢のこんな演説があった。「われわれの手で日本を守るしかない。いざとなったらやり返すという国民的合意も必要だ」。これも一種のアジテーターかと思いつつ、本を静かにめくる。





















