2026.02.05 05:00
【外国人政策】「共生」に軸足置き論戦を

日本の在留外国人は2025年6月末時点で約395万人、人口の3%強を占め、今後も増えると見通される。それに伴う住民同士の摩擦やあつれき、経済的損失の懸念などを背景に、昨年の参院選では政治的な関心がにわかに高まり、対策を訴えた参政党が躍進した。
右派色が強い高市早苗首相には、もともとこだわりの強いテーマだったに違いない。保守層の自民党への支持回帰も意識する立場だけに、政権は外国人政策を重視。1月には、「秩序ある共生」を掲げた総合的な対応策を公表した。
対応策では、国籍取得や永住許可の要件厳格化、税や社会保険料の未納対策強化などのほか、土地取得ルールの策定も視野に入れた。日本語や社会制度を学習するプログラム創設も盛り込んだが、「秩序」に重きを置いた内容だと言える。
衆院選ではこのほか、日本維新の会と参政党が外国人受け入れの総量規制も訴え、国民民主党は土地取得規制法の制定に踏み込んだ。これに対し、中道改革連合や共産党、社民党は「多文化共生社会」推進や人権保障などを前面に出す。向き合い方は各党に違いがある。
外国人の問題行為があれば厳正なルールで臨むのは当然だ。ただ、参院選の際には、実際には外国人の犯罪が増えていないにもかかわらず治安悪化の要因に指摘されるなど、事実と異なる情報がまん延した。物価高など生活苦の不満は、右派ポピュリズムとなって外国人に向けられがちだ。印象論、偏見に基づく排外主義や差別とは一線を画すことが政策論議の前提となる。
直視しなければならないのはやはり、少子高齢化による人手不足が深刻化し、外国人が各産業の担い手として不可欠になっている現実だ。
高知県で暮らす外国人も、25年6月時点で6996人と10年前からほぼ倍増した。農業や建設業、水産業分野などで特に依存度は高く、地域社会の一員として大切に向き合う事業者がほとんどだろう。
こうした現場感覚、地域事情は、全国知事会が昨夏に取りまとめた宣言が端的に物語る。「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す」とした上で「国は外国人を『労働者』と見ているが、自治体から見れば日本人と同じ『生活者』であり『地域住民』」と指摘した。
国、地域にとらわれず、誰もが住みやすい社会をつくることは普遍的な課題でもある。
規制強化、秩序だけでは国民の安心は得られない。受け入れた外国人が社会や地域になじむための共生の環境づくりが重要だ。






















