2026年 02月04日(水)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2026.02.04 05:00

【2026衆院選 エネルギー政策】原発回帰に乏しい議論

SHARE


 原発は利用へと揺り戻しが進む。安全性への不安は根強い。十分な説明と議論が欠かせない。
 政府は国の中長期的なエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」で、原発を最大限活用する政策へと回帰した。東京電力福島第1原発事故の反省から明記した「可能な限り原発依存を低減する」との表現は削除している。
 発電量全体に占める原発の電源割合は、2040年度は2割程度をにらむ。実現するには、国内の既存原発のほぼ全てが再稼働することが必要となる。福島第1原発事故を教訓とした新規制基準下での再稼働が続いている。
 だが、順調に推移しているわけではない。新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6号機が先ごろ、13年10カ月ぶりに再稼働した。東電としては事故後初めてとなる。政府は原発の最大限活用を印象づける狙いもあっただろう。しかし、不具合で原子炉を停止している。
 中部電力浜岡原発(静岡県)では、耐震設計に絡むデータを不正操作していたことが分かり、再稼働が遠のいた。電力会社として原発を動かす責任と真剣に向き合っているのか、不信感が強まる。
 原発運転は事故後に導入した原則40年、最長60年とした規定が見直され、60年超が可能となった。一方、福島第1原発の廃炉作業は難航し、使用済み核燃料の処理など難題が多い。活用推進だけでは不十分だ。
 原発についての昨年の世論調査では、深刻な事故が再び起こると考える人は8割を上回る。避難計画にも懐疑的な見方が多数を占める。原発に向けられる厳しい視線を受け止める必要がある。
 原発活用を進める政府方針に、野党でも考え方は異なる。中道改革連合は、原発は安全性の確実な確認、実効性のある避難計画、地元合意を条件として再稼働を容認した。将来的に原発へ依存しない社会を目指すとするが、「現実路線」への評価は見通せない。
 電力需要は、生成人工知能(AI)や半導体工場の新増設に伴い増大することが見込まれる。電源構成は再生可能エネルギーの割合を引き上げている。だが、現状の規模からは懐疑的な見方が多い。
 再エネを巡っては、大規模太陽光発電所(メガソーラー)は自然環境や景観への悪影響が問題となっている。政府は規制強化に転じた。実効性のある対策が不可欠だ。洋上風力発電も採算面から事業が停滞した。技術支援など実現に向けた対策の重要性が増す。
 安定電源の確保には脱炭素化を進めることも重要だ。化石燃料の開発を促進するトランプ米政権は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱した。温暖化防止に逆風が吹くが、日本の取り組みを後退させるわけにはいかない。エネルギー安全保障面も意識せざるを得ない。論点は多くある。

高知のニュース 社説

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月