2026.02.03 05:00
【2026衆院選 社会保障】持続性高める具体策語れ

しかし、人口減少と高齢化が進む中、社会保障制度の維持は厳しさを増している。財源など制度の持続性を高める具体策も併せて語る必要がある。
高齢化や医療技術の進歩を背景に、社会保障給付費は増加傾向にある。2000年度は78兆円だったが、25年度には140兆円規模に上る見通しだ。
それに伴って社会保険料の負担も増している。民間試算によると、この30年の間に働く世帯の税と保険料の負担率は5%強増えている。大部分は保険料負担の増加が要因だ。
近年は物価上昇も相まって、手取り収入が増えにくい状況にある。現役世代の暮らしに大きな影響を与えているのは確かだろう。
自民党と日本維新の会は昨年10月に交わした連立政権合意書に「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」と明記。今回の選挙戦でも、与野党を問わず多くの政党が保険料の軽減を訴えている。
一方で社会保障費のもう一つの重要な財源である消費税についても、与党とほとんどの野党は減税を示している。
40年ごろには高齢者数がピークとなり、医療や介護サービスのさらなる需要増加が予想される。そんな状況で保険料軽減を実現するには、医療・介護の制度の見直しや新たな財源の確保が必要となる。
自維政権は昨年12月、医療費の支払いを一定に抑える「高額療養費制度」の患者負担の月額上限を今年8月から引き上げると決めた。市販薬と効能などが似た「OTC類似薬」では、来年3月から追加料金を求めることになっている。
ただ、患者らからは反発がある。こうした改革を実行したとして、社会保障費の圧縮に寄与する効果があるかどうかも見通せていない。
制度の持続性を考えれば、改革には「痛み」につながる要素が避けられない。選挙戦では、自民は高額療養費見直しといった患者の負担増につながる政策には触れていない。社会保障と税の一体改革を超党派で議論する「国民会議」を設置し、給付付き税額控除の制度設計などを通じて策を講じるとする。
主要野党の中道改革連合は国の資産を一体的に運用する政府系ファンドを創設し、保険料負担軽減の財源を捻出すると提唱する。高額療養費は患者負担の引き上げを抑制する。
一部の政党で高齢者の医療機関での窓口負担を増やす主張もあるが、いずれも具体策を前面に打ち出していない。説得力に欠ける。
安定した社会保障制度をつくるには財源論が不可欠だ。有権者受けするような政策だけでは維持できない。国民を広く巻き込んで議論し、納得できる仕組みにしたい。






















