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2026.01.31 05:00

【2026衆院選 外交】国際協調への立ち位置は

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 国際秩序は激変の様相を見せ、日本にも新たな対応を迫っている。独自の立ち位置を探り、主体性のある取り組みができるかが問われる。
 第2次トランプ米政権は、外交戦略の柱に「力による平和」を掲げる。国際法を顧みず、力による現状変更に乗り出している。
 南北米大陸を中心とする西半球を勢力圏と位置付ける米政権はベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束した。石油権益を求め、主権侵害の批判を気に留める様子はない。
 触手はデンマーク領グリーンランドにも伸びる。領有に賛同するよう圧力をかけ、一時は北大西洋条約機構(NATO)加盟国への軍事行動を排除しないと強硬だった。欧州は関係を損ねると反発を強めた。
 一方で、ウクライナ侵攻ではロシア寄りの立場を鮮明にする。覇権主義的な動きを見せる中国とは決定的な対立は望まない様子だ。
 日本外交は対米関係を基軸とする。軍事力を背景とする威圧と、自らの都合を優先するトランプ政権といかに向き合っていくかが重要な論点となる。
 世界経済は米国の高関税政策に振り回された。同盟国にも容赦なく課し、日本も対応に追われた。巨額対米投資の約束などで一定引き下げる合意にこぎつけたが、再び引き上げる懸念はくすぶっている。
 国際協調にも関心を示さない。国際機関からの脱退や資金拠出の停止を打ち出した。人道支援や民主主義強化、少数派の権利擁護は大きく後退する。地球温暖化対策の遅れや災害の深刻化が危惧される。
 また、米政権が主導するパレスチナ自治区ガザの「平和評議会」は、世界の紛争解決へと役割を拡大する意向だ。国連を代替する新機関を目指しているとの見方が出ている。
 「国連中心主義」を掲げ、国際協調を重視する日本の姿勢とは相いれない。無批判に追随しては国際社会からの批判は免れない。
 中国との関係は、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁から悪化している。中国は対日輸出規制など経済的威圧を強めた。進展次第で日本経済への打撃は大きくなる。
 米国は日本を含む世界中の同盟・友好国に、防衛支出などを国内総生産(GDP)比5%に引き上げるよう提唱した。日本はGDP比2%目標を前倒しで達成したが、要求はさらに強まる。
 中国抑止へ防衛体制の強化をもくろむ。しかし、規模の拡大が能力向上につながるかや、財源の確保策など検討すべき課題は多い。地域の緊張が高まり、中国との関係安定化への影響も無視できない。
 米中関係の動向も気になる。米中首脳は年内の相互訪問が計画されている。トランプ大統領は中国との通商関係を優先して、日中の対立とは距離を置く。日米の対中政策のずれは地域情勢を変えかねない。ロシア、北朝鮮は軍事協力を強めている。議論すべき課題は多い。

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