2026年 01月13日(火)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2026.01.13 05:00

【太陽光発電規制】再エネ促進へ戦略再考を

SHARE

 大規模太陽光発電所(メガソーラー)に対して政府が規制強化に転じた。各地で自然環境や景観への悪影響が問題になる中、無秩序な開発を抑制する狙いがある。一方で、これが脱炭素社会に向けた歩みの停滞につながってはならない。再生可能エネルギーの普及へ、戦略があらためて問われる。
 昨年末、政府が対策パッケージをまとめた。主な内容は、事業計画の監視体制を強化し、環境影響評価(アセスメント)を義務付ける範囲も拡大。発電した電気を市場より高い価格で買い取る支援制度も、2027年度以降の新規事業から廃止を検討する。
 背景にあるのは、自然環境や景観が悪化したり、森林伐採などで災害リスクが高まったりする懸念だ。
 規制強化の直接的な呼び水になった事業には、国の特別天然記念物タンチョウなどの生態系への影響も懸念された北海道・釧路湿原国立公園隣接地のメガソーラー整備計画などが挙がるが、開発を懸念する地元自治体や住民とあつれきが生じるケースは各地で発生してきた。
 本県も例外ではなく、このうち四万十市の四万十川沿いに計画された事業を巡っては、県四万十川条例などに基づいて「不許可」にした市を事業者が提訴。司法判断の末、計画が止まった経緯もある。
 東京電力福島第1原発事故を受けて、政府は再エネの導入推進にかじを切った。しかしメガソーラーに関しては、環境、景観の保全、調和といった視点が足りなかったということだろう。それを補うかのように、太陽光発電に一定の規制をかける目的で制定された地方自治体の独自条例は300を超える。
 メガソーラーは設置地域への経済波及効果が大きいとは言えない中、地域外の事業者が利益優先で山林を乱開発するようなケースがあったことは否めない。そうした事例を防ぐ上で、現行制度が不十分なら、対応を見直す必要はある。
 一方、規制の強化で新規事業化の動きは鈍るとみられる。再エネは太陽光発電が大きな柱であり、その普及が停滞する可能性がある。
 昨年改定された国のエネルギー基本計画では、発電量全体に占める太陽光の割合を、足元の9%台後半から40年度までに20%台へ引き上げる目標を掲げている。
 メガソーラー規制強化を「方針転換が極端」とする専門家もいる。環境との調和を重視する優良事業者への支援継続などは検討課題だ。また、公共施設や住宅の屋根、耕作放棄地などには設置の余地があり、引き続き最大活用が求められる。
 次世代電池として、従来のパネルよりも圧倒的に薄く、立地のスペースを省略できる「ペロブスカイト太陽電池」への期待も高い。
 メガソーラーの規制強化が、同じ脱炭素電源である原発回帰の口実になることはあってはならない。洋上風力発電や地熱発電なども含め、再エネ電源の戦略を立て直し、開発、普及を加速させていきたい。

高知のニュース 社説

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月