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2025.09.26 08:50

異色の歌手 高知原点 GRe4N BOYZ・HIDEさん―時代の旅人 あの人に聞く(29)

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GRe4N BOYZのアーティスト写真

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 12歳の春、伊丹空港から高知行きの飛行機に一人で乗り込んだ。見送りに来た母はずっと泣いていたけれど、HIDE(ヒデ)さんの胸には新生活への期待が膨らんでいた。

 実家は京都・嵐山。地元の有名中学を受験する予定だった。その少し前に「試しに受けてみろ」と父に言われ、大阪で土佐塾中の入試を受けた。合格だった。

 父は救命救急医で、家庭では絶対的な存在。子どもには日常的に敬語を使わせる厳格な人だった。幼いころから剣道を教え込まれ、元日には嵐山の渡月橋へ行き、桂川に入って素振りをさせられた。

 「観光客が多い場所。外国の方が通りながら『オー、サムライ!』って」

 父は勉強に対しても容赦なかった。「1回習ったことで100点取れへんってアホなんか」と言い、毎日課題を与えた。ある日、プリントをやらずに机の奥に隠しているのが見つかった。

 「なめてんのか」。庭の玉砂利の上にみかん箱が置かれ、「はよ、やれ」。木刀を持った父が時々様子を見に来て、深夜3時ごろまでプリントを解いた。

 そんな少年時代、武田鉄矢さん主演の映画「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」を見た。衝撃だった。もともと武田さんのファンで、武田さんをすごいと思ったのか龍馬をすごいと思ったのか、今となっては定かではない。とにかく感動した。武田さん原作の漫画「お~い!竜馬」や司馬遼太郎の「竜馬がゆく」もむさぼり読んだ。

 土佐塾中合格後、「高知といえば龍馬」という思いが募った。ただ周りには中学進学で親元を離れる友達はいない。そんな選択肢があるとは思わなかった。

 すると、父が言った。「男やったら外へ出ろ」。父の医学部時代の剣道部仲間が高知にいて、身元引受人になってくれるらしい。面白そうな予感がしてこう答えた。「ほな、行きまーす!」

 高知市街を見下ろす…

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