2025.09.23 05:00
【自民総裁選告示】党改革の議論どこまで

衆参両院とも少数与党になったものの、比較第1党として自民の担う責任は重く、その機能不全は国民生活に直結する。候補者には、党改革の道筋と新しい政治の形を示すことが求められ、論戦を政治不信の解消にもつなげなければならない。
小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農相の5人が出馬した。来月4日に投開票が行われる。
総裁選の焦点は大別して三つになる。大型選挙での大敗が続いている党の改革、少数与党状態での政権運営の在り方、それぞれの重点政策とその方向性だ。
党改革では参院選総括でも掲げた「解党的出直し」の中身が問われる。選挙の連敗は、派閥裏金事件をはじめとした「政治とカネ」問題が響いたのは間違いないが、それは一つの要素に過ぎない。「自民1強」体質が招いた国民感覚とのずれやおごり、それを背景にした失言や国会軽視も党不信を積み重ねてきた。
こうした体質を直視し、メスを入れてこそ「解党的」と言える。その試金石になるのが「政治とカネ」問題への対応だろう。分断が広がる党内勢力の融和や結束を重視する候補者もいるが、抜本的な党改革なしでは、内輪で評価されたとしても国民的な信頼回復は望めない。
ただ現時点では、裏金事件のけじめや企業・団体献金の扱いなどに関する候補者の発信は少なく、物足りないと言わざるを得ない。
今回の総裁選は2年連続の実施、加えて党の事情で政治空白を長引かせており、そもそも冷めた見方が少なくない。その中で、旧派閥の力学やキングメーカーの存在など古い体質が顕在化しようものなら、不信感はさらに広がる。党は今回のテーマを「#変われ自民党」と掲げた。その意図を改めて肝に銘じ、党改革を競うべきだ。
衆参とも少数与党の情勢下、自民党総裁がそのまま首相になるとは限らないが、一枚岩には遠い野党の現状を踏まえれば、首相就任はほぼ確実だろう。
野党の協力がなければ法案や予算案が成立しない中、連携の在り方は当然、大きな論点になる。日本維新の会や国民民主党を念頭に、新たな連立を視野に入れる候補もいる。できる限り具体的なイメージを示し、判断を仰ぐことが重要だ。
政策的に緊急性の高い物価高対策の方向性も、まさしく野党との協議に委ねられる部分が大きい。一方で目先の人気取りに走れば、財政負担が膨らむ可能性もある。財政運営の基本姿勢はもちろん、社会保障や安全保障など各分野で骨太の方向感を示すことが欠かせない。
本県にとっては、石破政権が重点化した地方創生、防災対策の今後も注目ポイントとなる。効果が十分だとは言いにくい自民の人口減少対策だが、手を緩めれば深刻さはさらに増す。精力的な議論を求めたい。





















