2025.07.12 05:00
【2025参院選 影響力増すSNS】情報の真偽見極めを

SNSは、候補者や政党の情報を得る有効な手段となり、政治への関心喚起につながる。一方で、根拠のない情報や誹謗(ひぼう)中傷の拡散によって選挙の公平性を損なう危険性もある。発信する側、受け取る側ともに功罪両面ある特徴を自覚しながら向き合う必要がある。
インターネットを使った選挙運動は2013年から解禁されており、24年はその転換点と言われる年になった。7月の東京都知事選ではSNSを駆使した無所属候補が2位に躍進。一方、現職が再選した11月の兵庫県知事選では、激しい誹謗中傷や偽情報が物議を醸し、結果にも影響したとされる。
SNSには政治と若者の距離を縮めるなどの効果もある。候補者側が対応に力を入れるのは当然だろう。問題はやはり、偽情報や中傷を簡単に発信できることだ。対立をあおったり、悪意を持って他者をおとしめたりする事例も散見される。
それらを信じて1票が投じられたとすれば民主主義の土台が揺らぐ。発信者はもちろん、情報を受け取る側にも心構えが求められる。
留意しておかなければいけないのが、無意識のうちに自分の持つ考えや視点が固定化、強化されてしまうSNSの仕組みだ。
利用履歴などから自分の好みに偏った情報ばかり表示される「フィルターバブル」、自分と似た意見ばかりとつながる「エコーチェンバー」などの状態になると、偽情報を事実と思い込む原因となる。
事実は二の次でインパクトや分かりやすさ優先の投稿が生まれる構造も踏まえておく必要がある。閲覧数に応じて広告収入を稼ぐ「アテンションエコノミー(関心経済)」に基づき、過激な投稿や効果的に編集した「切り抜き動画」がまん延し、実態がゆがめられることがある。
これらの規制策は先の通常国会でも議論されたが、悩ましいのは、規制を強めれば「表現の自由」を侵しかねないことだ。
このため参院選に際しては、総務省が偽・誤情報に関する削除の適否を迅速に判断するようSNS事業者に要請。与野党も拡散防止への改善努力を求める声明を出すにとどまっている。規制の実効性には課題があり、継続的な検討が求められる。
一方、SNSの偽情報などへの警戒感も徐々に高まりつつあるようだ。本紙の若者アンケートでは、選挙情報で動画配信サービス「ユーチューブ」を信用するとしたのは21%、旧ツイッターの「X」の信用度は11%にとどまった。
ただ、自分が批判的な思考だと思っている人ほどだまされやすいとする専門家の調査もある。油断しないことが重要だ。情報を収集する際は、極端な内容は真に受けず、自分と異なる意見にも耳を傾けるなどして真偽を見極めていきたい。






















