「ジャガイモは悪魔の植物だった？」

2025.07.04 05:00

「ジャガイモは悪魔の植物だった？」

高知新聞社

ジャガイモの科学(かがく)と歴史(れきし)

　ジャガイモのふるさとは、南(みなみ)アメリカのアンデス。ヨーロッパには古(ふる)くから伝(つた)わっていたけど、はじめはだれも食(た)べようとしなかった。

　「タネもまかないのに増(ふ)えて、気味(きみ)が悪(わる)い」
　「悪魔(あくま)が魔術(まじゅつ)で増(ふ)やしてやがるんだ！」

　ごつごつとした見(み)た目(め)から、食(た)べると病気(びょうき)になるとおそれられていた。実際(じっさい)、イモの芽(め)や緑色(みどりいろ)になった部分(ぶぶん)などには「毒(どく)」がふくまれている。

　１８世紀(せいき)のヨーロッパでは、天候(てんこう)不順(ふじゅん)や戦争(せんそう)でよく食料(しょくりょう)不足(ぶそく)が発生(はっせい)した。でもジャガイモは、あれた土地(とち)でもよく育(そだ)ち、収(しゅう)かくもはやい。今(いま)のドイツとポーランドにかけてあったプロイセンという国(くに)の王(おう)は、無理(むり)やりジャガイモを植(う)えさせた。フランスの農学者(のうがくしゃ)のパルマンティエも、あの手(て)この手(て)で広(ひろ)めようとした。さて、悪魔(あくま)の植物(しょくぶつ)はどうやって食(た)べ物(もの)として広(ひろ)まったのか？

　「野菜(やさい)には科学(かがく)と歴史(れきし)がつまっている」というシリーズの中(なか)の一冊(いっさつ)。ほかに、「トマト裁判(さいばん)の判決(はんけつ)はどっちだ？」「ピーマンはコロンブスのかんちがい？」があります。（ＮＰＯ(エヌピーオー)法人(ほうじん) 高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　大村(おおむら) 由紀子(ゆきこ)）

『ジャガイモは悪魔(あくま)の植物(しょくぶつ)だった？』
キム・ファン／作(さく)　ミヤザーナツ／絵(え)　くもん出版(しゅっぱん)()　小学(しょうがく)中学年(ちゅうがくねん)以上
(いじょう)　

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