2025.05.28 05:00
小社会 二所の荒稽古

後にプロレスに転向する力道山、横綱になる若乃花らがいた。土俵にたたきつけられ、張り倒される。口が切れて血が流れ、頭はざんばら髪。「泣いているのか、怒っているのか分からないような形相でぶつかっていきました」(高知新聞社刊「一以貫之」)
昭和初期に部屋を再興した高知市出身の横綱、玉錦以来の伝統だという。1938年、現役のまま世を去った横綱も猛稽古のために生傷が絶えなかった。そこに膏薬(こうやく)を貼っては土俵に上がるので「ぼろ錦」ともいわれた。
きょう横綱大の里の誕生が正式に決まる。二所ノ関部屋の横綱は玉錦、大鵬に次いで3人目という。高知とも縁が深い名跡を継ぐ師匠、二所ノ関親方は元横綱稀勢の里。この人も最高位に上り詰めてからは故障に苦しんだ。
大の里は夏場所で文句なしの強さを見せた。24歳と若く、「ぼろ」を思わせないのもいい。ただし、場所前には出世が早すぎて技術や経験を心配された。師匠も稽古は「もっともっと量も」。けがで横綱不在の場所が目立つ昨今、丈夫で長持ちの体をつくってほしい。
玉錦の土俵入りは「動く錦絵」と称された。次代を担う新横綱はどんな土俵入りを見せてくれるだろう。























