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2025.05.22 08:43

恐ろしや魔女の一撃 勝負の相手は犬? マグロ? 上杉一臣―魚信 はっぴぃ魚ッチ

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体全体で耐える、マグロとのファイト

体全体で耐える、マグロとのファイト

 ぎっくり腰になった。

 常に腰痛に悩まされ、これまでに数回、この地獄を経験している。

 最近、保護されていたメスの秋田犬を新たに家族として迎え、フウと名付けてかわいがっている。フウは少し足腰が悪く、散歩中に抱き抱えた瞬間だった。

 まさに、欧米で「魔女の一撃」と呼ばれる激痛。耐えきれずに膝から崩れ、身動きが取れなくなった。少し前から若干の痛みは感じていたが、これくらい大丈夫と思い油断した。

 以前のように1度の治療では復活できず、数回の治療でなんとか歩けるようになり、今更ながら体の衰えを自覚させられた。

 このままでは大好きなマグロと闘えない…。

 釣り針にかかったマグロは、危険を察知すると真下へと深く潜る。船の真下に入られた場合、下手に竿(さお)を立てると鋭角に曲がって折れてしまうリスクがあるので、竿は下げ気味となり、ほぼ綱引き状態となる。この姿勢が、腰にきつい。

 勝負が長引くほどに背筋と腰が悲鳴をあげ、地獄のような時間が続く。このつらさを乗り切らなければ、大きなマグロを釣り上げることはかなわないのだ。

 マグロを狙い始めた頃は50キロ超など夢のまた夢だった。しかし、今の土佐湾では、それをはるかに超える大物が目の前で跳ねることも珍しくない。

 あれがかかって暴れるかと思えば、その後の展開は容易に想像がつく。体力の限界を超える魚との勝負を経験するうちに、体のメンテナンスの重要性を感じるようになった。

 マグロという魚は、とても大きく力強い。海面を割り、高々と跳び上がる姿は豪快そのもので、マグロの波打つ筋肉の動きからは大自然を生き抜くエネルギーの凄さを実感する。そんな相手に挑むには、それなりの覚悟と準備が必要だ。

 一度きりの釣り人生。

 まだまだ夢をあきらめる気にはなれない。故障しにくい体を取り戻したいという一心で、はり治療や整体に通うことにした。筋力アップの前に、今ある力を満足に使えるようにするのが先決だ。

ぎっくり腰の後は、愛犬の相手もこわごわ

ぎっくり腰の後は、愛犬の相手もこわごわ

 ようやく歩けるようになり、腰をかばいつつ愛犬の散歩を再開した。

 「あ、こら。そんなに強く引っ張ったらいかん!」

 フウがこちらを振り返る。あの激痛を思い出すと、こんなにかわいい相手が恐ろしい。

 「やれやれ、この調子やったら、完全復活には時間がかかりそうなよ…」

 強烈なパワーで走るマグロと、再びラインでつながる日はくるだろうか。(会社員=高知市瀬戸東町)

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