「ホタルの光をつなぐもの」

2025.05.30 05:00

「ホタルの光をつなぐもの」

高知新聞社

命(いのち)はつながりあっている

　ほんもののホタルの光(ひかり)を見(み)たことはありますか？　私(わたし)は子(こ)どものころ、家(いえ)の近(ちか)くの小川(おがわ)で点(てん)めつしながら飛(と)び交(か)うホタルを見(み)て、感激(かんげき)しました。連(つ)れて帰(かえ)り部屋(へや)の中(なか)で光(ひか)らせたい、と思(おも)いました。

　この本(ほん)の女(おんな)の子(こ)も、小川(おがわ)で幼虫(ようちゅう)を見(み)つけて、「お家(うち)で育(そだ)てて、光(ひか)るホタルになるのを見(み)てみたい」と考(かんが)えます。
　でも、幼虫(ようちゅう)は何(なに)を食(た)べるのかな？　ホタルが育(そだ)つのに必要(ひつよう)なものはなんでしょう？
　まんがのようにコマ割(わ)りされた絵(え)で、なぞがテンポよく解(と)かれていきます。

　後半(こうはん)は、ホタルが消(き)えた理由(りゆう)と、失(うしな)われてもまたとりもどそうとする自然(しぜん)の力(ちから)がえがかれています。けれど、ひとたび壊れてしまったものが回復(かいふく)するには、とても長(なが)い時間(じかん)が…。

　文(ぶん)を書(か)いているのは、「生(い)きているとはどういうことか」を調(しら)べてきた生物(せいぶつ)学者(がくしゃ)の福岡(ふくおか)伸一(しんいち)さん。どうやってホタルが１億(おく)年(ねん)以上(いじょう)にわたって命(いのち)をつないできたのか。命(いのち)の不思議(ふしぎ)にふれられる1冊(さつ)です。（ＮＰＯ(エヌピーオー)法人(ほうじん) 高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　堀内(ほりうち) 佳子(よしこ)）

　『ホタルの光(ひかり)をつなぐもの』 福岡(ふくおか)伸一(しんいち)／文(ぶん)　五十嵐(いがらし)大介(だいすけ)／絵(え)　福音館(ふくいんかん)書店(しょてん)　小学(しょうがく)中学年(ちゅうがくねん)以上(いじょう)

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