2025.04.10 05:00
【匿流1万人摘発】首謀者の解明急ぎたい

匿流は特殊詐欺や強盗などさまざまな犯罪に関与し、治安上の脅威とされる。捜査の徹底と首謀者の解明が急がれる。
罪種別に見ると、犯罪収益を入金する口座を譲渡するなどした犯罪収益移転防止法違反が最多で、詐欺、窃盗、薬物事犯、強盗、風営法違反と続いた。
首都圏で発生した連続強盗事件をはじめ県内でも高級腕時計の偽物が売りさばかれた詐欺事件が起きた。女性客に高額な売掛金を負わせる悪質ホストクラブ、法外な価格で不要な家屋工事をする悪質リフォームなどでも関与が指摘される。
幅広い組織犯罪で収益を得ている匿流の実態が明らかになった一方で、課題も浮き彫りになった。摘発者の大半は実行役が占めており、主犯・指示役など中核に迫る捜査は進んでいない。
匿流は近年、インターネットや通信技術の進化に乗じて組織の裾野を広げてきた。SNS上の闇バイト募集を通じて犯罪の実行役を集めてグループを形成する一方、中核は秘匿性の高い通信アプリを使うため表に出にくい。
メンバー間でも互いの素性を知らないことも多い。そのため、末端の摘発を足掛かりにする従来型の捜査では対応が難しい。
末端の摘発にとどまっていれば、犯罪被害は広がり続けるだろう。警察庁は昨年、特殊詐欺を広域捜査する「連合捜査班」を立ち上げ、一定の摘発につなげた。都道府県警とのさらなる連携強化と、実効性のある捜査態勢の構築に力を入れてもらいたい。
匿流が台頭する一方、暴力団構成員と準構成員らは24年末で初めて2万人を下回り、統計開始の1958年以降で最少となった。
暴力団の人数は取り締まりの強化などで減少を続ける。ただ、暴力団は匿流を傘下に収めて利益を得たり、構成員や元構成員が匿流のリーダーやメンバーとして犯罪を実行したりするなど密接につながる事例も確認されている。警戒を強める必要がある。
警察の捜査に加えてSNS事業者のほか、口座開設や送金に関わる金融機関などとの協力も欠かせない。官民一体となった取り組みが求められる。
闇バイトの危険性についても繰り返し周知することが重要だ。統計では、闇バイトへの応募者が全摘発者の3割超を占める。
特に力を入れたいのは若い世代に対してだ。闇バイトに応募した若者が事件に加担する事例が目立つ。
SNSだけでなくオンラインゲームを使って勧誘する手口もある。事件の入り口は身近にあることを伝えたい。





















