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2025.02.16 05:00

小社会 マラソンと応援

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 最も過酷な競技とされるマラソンでは、時に脱水症状やけいれんを起こした選手の衝撃的なシーンを見る。2008年の大阪国際女子マラソン。ゴール前で何度も転倒した福士加代子選手も記憶に残る。

 トラックの女王はマラソン初挑戦。前半は独走しながら失速し、最後はふらふらになった。競技場でも3度転倒。起き上がってはまたよろめく。自著では「生まれたての子鹿になっちゃった」。

 「否定されたまま終われない」と再びマラソンに挑んだ。5年後の同じ大阪。スタート地点で隣に立った先輩でライバルの渋井陽子選手が、「さぁ、痩せるぞ!」。思わず笑った。給水に失敗すると、渋井選手が自分のボトルをさっと渡す。怖さを感じていたレースを楽しめるようになったのは、周囲の有形無形の「応援」もあったようだ。

 きょう高知龍馬マラソンの号砲が鳴る。こちらは優勝や記録に挑む人、目の前に広がる太平洋の雄大さを楽しむ人、と向き合い方もさまざまな市民マラソン。もう早春、土佐路の風物詩だろう。

 大会アドバイザーの金哲彦さんが一昨年、「龍馬」の魅力を「沿道の皆さんの応援が最高」と語っている。「特におじいちゃん、おばあちゃん。金属の鍋とお玉を持ってきて、カンカンたたいて応援する。これは高知以外で見たことがない」

 福士選手は「苦しい時にも笑顔」が持ち味だった。出場する方々も応援を背に、ぜひ笑顔で楽しんで。

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