2024.10.08 05:00
小社会 とさでん10年

「3人」を巡ることわざにもそれがあり、一つはご存じ「…寄れば文殊の知恵」。一方、中国には「3人寄れば無責任」がある。関わる人が増えると当事者意識が薄れ、身動きも取りにくくなるのはよくある話。プラスばかりではない。
この3人の関係はさてどうだろう。県中部の公共交通を支えるとさでん交通と、その大株主である県、高知市の3者。土佐電鉄と県交通を経営統合したとさでんは今月で発足10年になる。
もとより3者には独自の間合いがある。統合新会社を立ち上げる時、バス事業は不採算ゆえに民間参入が見込めなかった。そこで行政側は直営にまでは踏み込まないが、住民の足に責任と権利を持とうと出資した経緯がある。会社の経営は尊重しつつ、必要に応じて物言う形とした。
それから10年。運転手不足や経営の制約で公共交通網は縮み、またてこ入れを迫られている。だが三者三様の思惑がブレーキになるのか。誰が、何を、どうやって…との進路はぼやけているのが実情だ。
10年前は統合論議の熱が組織の壁を溶かしたが、それを経験した人も減った。「文殊の知恵」でなく「無責任」の構図が濃くなっているのなら三角関係も整理のしどころかもしれない。




















