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2024.10.02 05:00

小社会 内向きではなく

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 明治・大正の政治家、大隈重信が16年ぶりに首相に返り咲いたのは1914(大正3)年、76歳の時だった。それを祝う席で「政治ほど面倒なものはない」との言葉を残している。

 演説の記録によると、手柄を挙げると内輪で嫉妬の嵐に。逆に少しでも失敗するとすぐに責められ、少しためらっても「意気地がない」と文句を言われるからのようだ。内向きの政治にうんざりしていたのが分かる。

 「政治家の根本」とは何かについても説き、「人の心を知る」「国民の心理状態を知る」こととした。首相としての評価は多々あろうが、姿勢は藩閥政治を批判し、民衆政治家と呼ばれた大隈らしい。

 きのう就任した石破茂・新首相。座右の銘は「至誠の人」という。やはり内向きの政治を批判してきた代議士なので注目していたが、豹変(ひょうへん)したようだ。重視するとしていた臨時国会での論戦は早々に切り上げ、9日に衆院を解散すると表明した。

 新政権発足の勢いのまま、早期に総選挙に挑み、自民党の派閥裏金事件の影響を最小限に抑える―。そんな内輪の思惑が透ける。しかも首相に指名される前の発表。党内で「意気地なし」とでも言われ、押し切られたのだろうか。 

 大隈は演説でこうも呼びかけた。「過ちに陥るかもしれぬ。どうか盛んに批判を」「それがなければとても良い政治は出ない」。国民の方を向き、批判にも耳を傾ける至誠の石破政権であってほしい。

高知のニュース 小社会

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