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2024.06.03 05:00

小社会 ルール

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 舌の裏側をよく見ると、ひだがある。「采状(さいじょう)ひだ」といい、進化の過程で舌が2枚あった名残らしい。「有袋類や多くのコウモリ、下等なサルたちには文字どおり二枚の舌がある」という。

 古生物学者、犬塚則久さんの著書「『退化』の進化学」に教わった。前とは矛盾したことを言う「二枚舌」の方は退化せず健在だから、思わず笑ってしまった。

 二枚舌とまでは言わないが、近頃気になるのが、大学生らの就職活動の解禁日である。政府は就職活動の早期化などを懸念し、採用面接や筆記試験は6月1日以降にするよう数年来、民間に要請している。以前は経団連の自主規定だった。

 だが、いまやこれほど形骸化したルールはあるだろうか。人手不足で就活は学生優位の超「売り手市場」。ある調査では、ことしは5月段階で約8割の学生に内定が出ている。面接や試験はもう終盤に近い。

 しかも国家公務員の総合職試験も5月までに終了。地方の公務員や警察官なども、早期の試験が増えている。試験の合格と採用は別物とも聞くが、苦しい言い訳なのでは。優秀な人材を少しでも早く確保したいのは、官庁も同じというわけだ。

 もちろん、就活の早期化は問題が少なくない。どこかで歯止めが要る。一方で民間の採用活動は本来、自由であるべきで、採用の通年化や多様化も進んでいる。形だけの、昔の名残のようなルールでは思考の退化に等しいだろう。

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