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2024.05.23 05:00

【皇族確保策】丁寧な議論が欠かせない

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 意見の隔たりが大きく総意の取りまとめは難航しそうなだけに、丁寧な議論を重ねることが重要だ。将来に向けて、国民が納得する合意形成を図る必要がある。
 皇室の課題に関する衆参両院議長と各党代表者らによる協議が再開された。2年4カ月ぶりとなる。
 皇室典範は、皇統に属する男系の男子が皇位を継承すると規定する。また、女性皇族は民間人と結婚すれば皇室を離れるとする。
 天皇陛下より若い世代の皇位継承者は秋篠宮家の長男、悠仁(ひさひと)さまだけとなった。皇位継承の責務と皇室活動の負担がのしかかることが想定される。公務の分担を含め、皇室制度をいかに維持するかは課題だ。
 政府の有識者会議が2021年12月にまとめた報告書は、皇位継承策を先送りした。喫緊の課題は皇族数確保とし、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することと、養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰の2案を示した。
 結婚した女性皇族が皇族身分を保持した場合、皇位継承資格を女系に拡大することにつながると反対する意見が根強い。このため報告書は、配偶者や子は皇族とはならず、一般国民としての権利・義務を保持するとの考え方を示した。
 これに対し、家庭内で身分が異なることで混乱が生じかねないとの指摘がある。「夫婦が同等の権利を有する」とした憲法24条との整合性も論点に挙がる。
 「女性宮家」創設も議論が必要になる。上皇さまの退位に向けた特例法の付帯決議で重要な課題と位置付けられながら、報告書では明確な言及がなかった。自民党なども触れていないが立憲民主党は緊急的な課題だと主張し、温度差がある。
 養子縁組について報告書は、皇室典範で認められていない皇室の養子縁組を可能とする考え方を示した。1947年に皇籍を離脱した旧11宮家の男系男子を想定し、自民などが賛同を示す。
 一方でこの案には、そもそも対象となり得る人がいるのかなど慎重な確認と制度設計が必要だと立民は訴える。また、対象者の限定は門地による差別を禁じた憲法14条に反する可能性にも触れている。
 女性天皇や女系天皇の検討を求める意見もある。検討すべきことは多い。付帯決議が安定的な皇位継承などを「先延ばしすることはできない重要な課題」と位置付けて7年になる。この間に議論が深まったとは言えない。
 世論調査では、皇位継承の安定性への危機意識は7割に上る。一方で継承策の議論は「早急に検討するべきだ」が最多だが、「将来にわたり慎重に検討」「悠仁さまの状況を見ながら検討」を合わせるとそれを上回る。どう向き合うべきか困惑する様子が見て取れる。
 6月23日に会期末を迎える今国会中の集約を目標とするが、重要なのは議論を尽くすことだ。各党が要請する静かな環境の中での議論を通して国民の理解を深めたい。

高知のニュース 社説

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