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2023.01.26 08:30

「救荒植物のちゃんとした図と説明を」 シン・マキノ伝【52】=第4部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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牧野富太郎筆「マツタケ」(万葉植物図譜より、個人蔵)

牧野富太郎筆「マツタケ」(万葉植物図譜より、個人蔵)

 牧野富太郎は、「植物研究雑誌」第3巻第2号(1926年2月28日)に「私ガ内務省ノ栄養研究所ヲ退イタ経緯」という記事を寄せた。これによれば、大正11年12月から栄養研究所で嘱託として勤務することになったが、翌12年3月に研究所所長から高圧的で専断的な意見を聞かされ、ついに牧野の方から見限り辞表を提出したのであった。所長が、自分を無給にして1週間に1個ずつの仕事が出来たらそれについてお礼をすると言われ、金で釣って仕事をさせようとするやり方が気に入らなかったとその経緯を述べている。

 そもそも牧野は同研究所に就職する前に、大正11年6月27日付の意見書を所長に提出していた。タイトルは、「食用トナル野生ノ植物ノ調査ニ就キ卑見ト希望」。それは次のような内容であった。すなわち、国家の最も重大な問題である国民の食料の問題は、…

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