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2023.01.25 08:30

「日光で出会った恩人・中村春二」 シン・マキノ伝【51】=第4部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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成蹊学園の創設者の中村春二(学校法人成蹊学園蔵)

成蹊学園の創設者の中村春二(学校法人成蹊学園蔵)

 大正11(1922)年7月に牧野富太郎は日光に行った。それは植物採集の指導に当たるためで、同月11日に成蹊学園の女学生60名ばかりと校長その他の職員とともに東京を出発した。10日余りの日光滞在であった。この時に成蹊学園の創設者・中村春二に初めて出会う。中村は、宿の部屋が隣となった牧野より、身の上話や「植物研究雑誌」の刊行などの話を聞いて、牧野に対し同情の心を寄せられたという。

 牧野が創刊した「植物研究雑誌」は、大正10年7月に第2巻第5号を発行してから、出版がストップしていた。上記のごとく中村の知遇を得て、同雑誌を継続することができたと牧野は自叙伝で述べる。そのことを「枯草が雨に逢い、轍鮒(てっぷ)が水を得たような幸運である」と表現し…

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