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2023.01.24 08:35

「植物研究雑誌を創刊」 シン・マキノ伝【50】=第4部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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「植物研究雑誌」の表紙(第2巻第1号、1918年、個人蔵)

「植物研究雑誌」の表紙(第2巻第1号、1918年、個人蔵)

 大正5(1916)年4月、牧野は「植物研究雑誌」を創刊した。創刊の理由について、自叙伝では、自分で自由にできる機関誌がないと不便であるからと述べている。明治20年に帝国大学の学生であった友人たちと一緒に発行した「植物学雑誌」とは別に、個人用の雑誌を望んだということである。どちらも現在まで刊行されている。牧野は「植物研究雑誌」の編集に力を入れ、他人の原稿を細かく校正したり写真を貼りつけたりしたと言う。

 同雑誌第1巻第1号の巻頭は、「本誌発刊ノ辞」である。自叙伝にもこの文章を紹介しているが、まずは牧野の今までの奮進ぶりを伝える。すなわち、牧野が今まで少しも遊び怠けることなく、目先のことにとらわれずに将来を見据えて、国家のために国民としてかつ研究に勤しむ者として奮闘してきたこと、自分の利害は度外視して苦闘を重ね、今ここに本誌という武器が…

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