2024年 04月29日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2021.12.29 08:32

こうち 年の瀬 点描(8=終)新年を和菓子で祝おう

SHARE

「砂糖が貴重やったき、おきゃくがあるとうれしゅうてねえ」。和気あいあいと調理を進める女性ら(高知市のこうち男女共同参画センター「ソーレ」)

「砂糖が貴重やったき、おきゃくがあるとうれしゅうてねえ」。和気あいあいと調理を進める女性ら(高知市のこうち男女共同参画センター「ソーレ」)

 来年は寅(とら)年。高知市春野町には、その名も「虎巻」「あたらしや」という郷土の和菓子があるという。こいつはなんだか、縁起がいいわいなあ。12月上旬、春野の住民グループが開いたお菓子教室をのぞいてきた。

 「ああっ、焦げてしもうた」「よ~くかきまぜてよ」。会場は和気あいあい。「こんな形でえいろうか」と尋ねられた春野の土居三千代さん(74)は「田舎のおばちゃんはアバウトよ。かまんかまん」。ガハハと笑う。

 土居さんは春野の住民グループ「とら巻&あたらしやの会」の代表。県選定の「土佐の料理伝承人」として、学校や地域でレシピを広めている。

 虎巻は、あんこをカステラのような黄色いスポンジで巻いている。あたらしやは、あんこを木型などで模様を付けたもちでくるんでおり、「すぐ固くなるから早く食べて」の意とか。古くは、いの町や土佐市でも食べられ、ともに「これがないとおきゃくにならん」と親しまれていた地元の郷土料理だ。

「虎巻」=右=と「あたらしや」

「虎巻」=右=と「あたらしや」

 春野出身という参加女性(74)も「やさしい甘さ。家族とわいわい皿鉢を囲んだ子ども時代がよみがえる」としみじみ。土居さんも「クリームたっぷりのマリトッツォも好きやけど、伝統の味も知ってほしいね」とぱくり。「うん、上出来。今日はいいハレの日になった」とにっこり。おなかも満たされ、笑顔の輪が広がった。

 さあ新年は、もうすぐそこ。来年は、えガオーの多き一年となりますように。(福井里実)=おわり

高知のニュース 高知市 季節・気候 こうち 年の瀬 点描

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月