2021.12.29 08:32
こうち 年の瀬 点描(8=終)新年を和菓子で祝おう
「砂糖が貴重やったき、おきゃくがあるとうれしゅうてねえ」。和気あいあいと調理を進める女性ら(高知市のこうち男女共同参画センター「ソーレ」)
「ああっ、焦げてしもうた」「よ~くかきまぜてよ」。会場は和気あいあい。「こんな形でえいろうか」と尋ねられた春野の土居三千代さん(74)は「田舎のおばちゃんはアバウトよ。かまんかまん」。ガハハと笑う。
土居さんは春野の住民グループ「とら巻&あたらしやの会」の代表。県選定の「土佐の料理伝承人」として、学校や地域でレシピを広めている。
虎巻は、あんこをカステラのような黄色いスポンジで巻いている。あたらしやは、あんこを木型などで模様を付けたもちでくるんでおり、「すぐ固くなるから早く食べて」の意とか。古くは、いの町や土佐市でも食べられ、ともに「これがないとおきゃくにならん」と親しまれていた地元の郷土料理だ。
「虎巻」=右=と「あたらしや」
さあ新年は、もうすぐそこ。来年は、えガオーの多き一年となりますように。(福井里実)=おわり