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2026.06.10 05:00

【県出生数最少】粘り強く将来不安拭え

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 少子化に歯止めがかからない。子どもを産み育てたいとの望みがかなうよう、若者の将来への不安を拭う施策に一層力を入れたい。
 高知県で2025年に生まれた日本人の子どもの数は3079人で、過去最少を更新した。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」も1・29で、4年ぶりに上昇したものの過去2番目の低さだった。厚生労働省の人口動態統計(概数)で明らかになった。
 県内の出生数は1960年以降では、1万2千人を超えていた73年をピークに減少傾向が続き、2016年に5千人、22年には4千人を割り込んだ。
 要因は多岐にわたるが、主には結婚や出産をする年齢層の減少に加え、非婚・晩婚化の広がりが指摘される。婚姻数は2年ぶりに2千組を下回った。このほか子育てへの経済的な不安や、仕事との両立の難しさなども関係しているとみられる。
 結婚や出産は個人の自由で、それぞれの価値観で決めることは言うまでもない。ただ、希望がかなわない状況は改める必要がある。問題を取り除き、子どもを産み、育てやすい環境を整備しなければならない。
 浜田県政は後手に回ったと指摘された若者、特に女性の県外流出を意識し、24年度から人口減少対策を抜本的に強化した。
 「県元気な未来創造戦略」には若者の所得向上や多様な人材の活躍につながる働き方改革などの施策が並ぶ。市町村が独自に施策を進められる交付金制度も創設した。27年目標として出生数4200人▽婚姻件数2500組を掲げる。
 だが、25年の数値はいずれも目標にはほど遠い。浜田省司知事は「出生数の減少幅がここ数年と比べ縮小し、社会減も前年から改善するなど明るい兆しがみられる」とするが、すでにこれまでの少子化で若者自体が減り続けている。流れを反転させるのは容易ではなく、厳しい状況には変わりはない。
 県は本年度、事業者の賃上げや男性の育児休業取得を促す。若者にとって魅力的な働き場所を提供する狙いがある。
 安定した雇用と収入を得られ続ける見通しがあってこそ、結婚や出産に踏み切ることができる。加えて、育児負担が女性に偏る状況が改善されなければ子どもを持ちたいとは考えにくい。子育てと仕事との両立に悩む人は今も多い。対策の検証を続けながら、引き続き着実に手を打っていきたい。
 国勢調査(速報値)では、昨年10月1日現在の県人口は64万3437人で、1920年の調査開始以来、最少となった。5年前の前回調査から約4万8千人減り、減少率も過去最大の7・0%に拡大した。
 人口減少に特効薬はない。少子化対策を含め、さまざまな観点から取り組みを粘り強く積み重ねていくしかない。ただ、地方だけではできることに限りがある。自治体の施策には財政力による格差も見られる。国の取り組みも問われている。

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