2026.05.05 08:30
いつか、また高知へ。 県外へ向かう若者ら応援 「古里とつながり」思い込め
本県では進学や就職を機に若者が県外へと出て行く流れが止まりません。若者の流出は県政課題であり、企業も人材確保に四苦八苦しています。そんな現実を前に私たちメディアに何ができるのか。
移住やUターンを前面に押し出した呼びかけは、県内外の多くの自治体などが展開しています。若者に直線的に訴える力があるでしょう。ただ一方で、こんなことを考えました。若者には職業や未来を選択する権利が当然あり、中には後ろ髪を引かれるように出て行く人もいるだろう。「地元に帰ってきて」の圧が強すぎれば、若者にとって負担になるのではないか。
そこでたどり着いたのが「いつか、また高知へ。」でした。

高知を離れる若者への応援を配した3月9日付の広告紙面
「県外で暮らす出身者の今を全面的に応援したい。だからすぐ帰ってきてとは言わない、でも、古里高知とつながっていてほしい」。そんな思いを込めたメッセージ広告をつくりました。3月9日の紙面。「どうか、高知を好きでおってね」「疲れたときには、帰ってきていいきね」「生まれ育った高知の良さに、気づく日が、きっと来るはず」との思いを散りばめました。
企画の趣旨に賛同してもらった県内企業12社も参加。各社の社長や社員へのインタビュー内容は同日の紙面で紹介したほか、インスタグラムでも発信しています。働きがいなどの企業紹介にとどまらず、「自分が決めたことを信じてどんどんチャレンジしてください」「戻りたくなった時はすぐ行動してみてください」など次世代に向けたメッセージも語ってもらいました。

企画に参加した企業からのメッセージをインスタグラムで発信
インスタでのコメント募集には、「めっちゃ高知帰りたい」「おなかがすいたら高知へ帰ろう。ご飯もお酒もおいしいのだから」などの声が届きました。短い書き込みですが古里への思いがにじみます。
「朝日や夕日に照らされた高知の海を見るとつらいことも忘れて頑張ろうと思わせてくれました。なかなか帰省できないけど、いま就職して勉強していることをいつか高知に還元できるように!」。地元は心の中に確かにあって、今はまだ…でもいつかきっと。そんな思いを感じさせてくれるコメントもあります。
この企画を通して私たちが大切にしたかったのは、「今はそれでいい」という距離感です。いつ帰るのか、帰るかどうかの答えを急いで迫るのではなく、「いつか」を信じて待つことも地域や企業の役割だと考えました。
本企画の締めくくりは今月1日付の新聞広告でした。そこには、高知を離れ都会で暮らし始めた若者のつぶやきをイメージしたこんな言葉があります。「そうそう こないだ電車の広告で どこかの地方の風景を目にして ふと高知を思い出したよ」
今回の取り組みで、Uターン者数を示せる成果や、すぐに何かが変わった実感はありません。ただ、「いつか、また高知へ。」という言葉が、忙しい日常の中でふと立ち止まるきっかけとして、誰かの心に残り続けてくれればと願っています。企画の詳細は高知新聞PLUSの特集ページでご覧いただけます。(地域プロデュース局)




















