2024.04.27 05:00
小社会 あくどいマネー
有名人になりすますなどした投資詐欺が止まらない。県内でも今年に入って被害は2億円超。実際、有名人は関係ないし、無料でもない。スマホから偽アプリへと誘導され、あの手この手で入金を迫られ、最後はそれっきりという。
思えば、投資詐欺が増えがちな土壌はあった。一つは低金利。日銀がマイナス金利を解除しても、物価高には追いつかない。新NISA(少額投資非課税制度)など国を挙げて「貯蓄より投資を」と促される時代でもある。
被害に遭う世代が、かつてのオレオレ詐欺のような高齢者ではなく、中高年が目立つと先日の本紙にあった。通帳の残高と利息に嘆息し、将来不安が増す世代。身につまされる。
さすがに有名人たちが声を上げ、国も対策に乗り出すという。先ごろは、被害者が詐欺広告を載せたメタ社(旧フェイスブック)の日本法人を訴えた。グローバル企業が相手だけに、規制はそう簡単ではないが、今こそ汗をかくべき有名人なら知っている。
またしても政治とカネで炎上している永田町の皆さん。「法改正だ」「政治改革だ」という勇ましい発言も結構ですが、裏金とともに、こっちのあくどいカネの流れも絶つべく努力してはどうでしょう。