2022.12.26 08:35
生産者と花屋のために 花卉卸売業 池田虎太さん(26)高知市―ただ今修業中
鮮やかなシクラメンを持ち運ぶ。「花は、誰かの心を潤してくれる」(高知市布師田の土佐花き園芸市場)
「はいっ! なんぼなんぼ、なんぼーっ!」。午前9時。高知市の土佐花き園芸市場で、競り人の威勢のいい掛け声が響く。
どの花屋がいくらで落としていくか。競りにかける順番はこれで良かったか。今はまだ、競り人に花を渡す助手のような立場だ。それでも、生産者のために少しでも高値で売ろうとするすべを間近で見る。
「生育の良い物から出すと、相場観が上がって全体的に高値が付くこともある。市場をどう活気づけるか。競り人のそばにいるだけで学ぶことは多い」
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高知市出身。県内の専門学校を中退し、フリーターだった19歳の秋。ハローワークで花き市場の求人を知って、「とりあえず正社員に」と応募して働き始めた。
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