2022.11.23 08:38
手作りの味で人気…西土佐の農家レストラン「しゃえんじり」閉店へ メンバー高齢化 最後の営業は11/25~27
店を切り盛りしてきた平塚聖子さん=左=と和田鈴美さん。常連客に惜しまれつつ、笑顔で閉店を迎える(写真はいずれも四万十市西土佐口屋内)
同店は地域に仕事の場をつくり活性化を図ろうと、住民が集会所を改修して2005年にオープン。女性5人が中心となり、週6日の営業を続けた。
川エビやイノシシなど地元の食材を使った料理を並べる
ただ、月日を重ねるにつれ体調悪化や高齢化で店に立てないメンバーが増え、新型コロナウイルス禍による客数減も引退のきっかけに。20年からは平塚さんと和田鈴美さん(79)の2人となり、営業も金土日の週3日に縮小していた。
口屋内の住民は今年4月時点で95人。平塚さんは「過疎が進む中で、新しく一緒に働いてくれる人をよう探さんかった」と苦笑する。準備から後片付けまで9時間働くのもきつくなり、紅葉の見頃を過ぎ、閑散期に入る12月を前に閉店することを決めた。弁当やみそなどの加工品作りは続け、しゃえんじりの名前で直販所などに出していくという。
閉店を知った常連客からは「永遠なんてないからね」「ご苦労さま」とねぎらわれた。平塚さんは「皆さんが優しく声をかけてくれてうれしい」。和田さんは「おいしかった、と言って帰ってくれるのがもう、最高でね。やってよかった」と静かに笑った。
最後の営業は25~27日の午前11時半~午後2時。(河本真澄)