2022.06.15 08:38
蒼山さん(高知市)漫画家デビュー 「笑えてキュンとする作品を」 まんが甲子園出場経験も
蒼山千紗さん「好きなことには」の一場面((c)蒼山千紗/講談社)
蒼山さんの自画像((c)蒼山千紗/講談社)
雑誌問わず愛読していた少女漫画の世界を目指そうと、2017年から各誌の賞に応募し始めた。「コンスタントに作品を仕上げないと成長できない。描いて描いて描きました」。近年は、蒼山さんに注目し担当となった別冊フレンドの編集者から助言を受けて作品を練り上げてきた。
デビュー作「好きなことには」は、活発な女子高生と理系の男子生徒が、共通の趣味で距離を縮める姿をコミカルかつ爽やかに描く作品。企画当初は編集者に「キュンキュンしない」と指摘された2人の性格を整理して対比させたり、知人の理系学生が使った面白い言葉をせりふにしたりと工夫を盛り込んだ。
今年初めに同誌の公募賞に出したところ、個性が光る人物描写などが好評で、デビューが決定。審査した同誌編集長は「(男子の)イケメンオタクキャラがすばらしいです!」「絵も表情が豊かで伸びしろを感じます」と誌上でコメントした。
「何かの賞に入るかなと思ったけど、デビューできるとは。親に『だまされちゃあせん?』と言われました」と蒼山さん。7月号発売後、早速自身のSNSに読者から感想が届き、デビューを実感したという。8月号の付録誌には、デビュー後初の新作が載る予定だ。
同誌編集部の方針で詳しいプロフィルは非公開だが、「漫画王国の高知で漫画家になれてうれしい。高知の皆さんにも読んでもらえたら」。今後も高知市に住みながら、「本誌での連載を目標に頑張りたい」と意気込んでいる。(徳澄裕子)