2022.04.11 08:35
捨てられる木に価値を 林業・デザイナー 伊藤啓太さん(25)佐川町―ただ今修業中
デジタル工作機械で木を加工する伊藤啓太さん。「地域の木を地域のために生かしたい」(佐川町庄田)
風が木々をこするほかに、音もない高岡郡佐川町の山あい。そこにかつては納屋だったというアトリエがある。
室内に並ぶ工作機械の一つがウイーンと静寂を破り、クレーンゲーム機のように動き出した。アームの先端のドリルが、木の板を自動で削っていく。5分ほどで、長さ約30センチのカッティングボード(まな板)が出来上がった。「こうすれば捨てられる木も商品になるんです」。設計者は控えめにはにかんだ。
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茨城県出身。文房具のデザインにひかれ、宮城大学デザイン情報学科に進学した。そこで学んだのが「デジタル・ファブリケーション」。3Dプリンターやレーザーカッターといったデジタル工作機に設計データを入力し、木材などを加工する技術だ。「自分がデザインしたものをすぐ形にできる」とのめり込んだ。
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