2022.02.12 21:37
酪農王国のスプリンターが「銅」 森重、原点は町営の天然リンク
スピードスケート男子500メートルで銅メダルを獲得し、日の丸を広げ笑顔の森重航=北京(共同)
酪農王国の少年団で育ったスプリンターが、初の五輪でメダルを手にした。12日のスピードスケート男子500メートルで銅に輝いた森重航(21)の原点は屋根のない天然リンク。恵まれたとは言えない練習環境の中、楽しむことを第一に競技に励み、大舞台で躍動した。
北海道別海町は人口約1万5千人に対し、牛の飼育数は約12万頭。漁業も盛んで、晴れた日には北方領土が肉眼で見える。この町出身の森重は小中学生の時、「別海スケート少年団白鳥」に所属した。
拠点の町営リンクはアスファルトに水をまいて造るため、練習できるのは厳冬期の12月から2月。指導した小村茂さん(51)は「施設面では劣った環境。そこで諦めずに頑張ったことが五輪につながった。最後まで集中する姿を今の子どもたちに見せてくれた」と話した。