2022.02.02 08:40
MRIで「痛くない」乳がん検診 高知赤十字病院で県内初導入「新たな選択肢に」
乳がん検診で使うMRI装置。検査着のままベッドに寝た姿勢で受ける(高知市の高知赤十字病院)
乳がんは日本人女性の罹患(りかん)率が最も高いがん。40~50代に多いが、近年は60代以上の発症が増加。30代でも見られ、早期発見が重要になっている。
自治体などが行う検診は、40歳以上を対象にしたマンモグラフィーが主流。乳房を板で挟んで圧迫し、薄く伸ばして撮影する。既に確立された技術で、初期症状の発見にも有効だが、人によって痛みや抵抗を感じることや、乳腺組織が発達した人は診断が難しいケースもある。
痛みのない超音波検査も行われているが、検査者の経験や技量に左右される要素があるという。
同病院が導入した無痛検診はMRI装置を使って、胸部がくりぬかれたベッドにうつぶせに寝て行う。強力な磁石と電波を当て、乳房の断面画像を撮影。この検診方法を開発した「ドゥイブス・サーチ」(東京)に画像が送られ、専門医が解析する。
無痛検診は、乳房を人に見られない▽乳腺組織が発達した人でも発見率が高い▽マンモの対象でない40歳未満や、乳房の再建手術を受けた人も可能(挿入物によってできない場合も)―といったメリットがある。
検診は予約制で毎週金曜日に実施。撮影時間は約20分で、2~3週間後に結果が郵送される。料金は2万2千円。
大黒センター長は「装置や費用面からマンモに取って代わることにはならないと思うが、安楽に受診でき、乳がん検診の裾野を広げられるのでは」と話している。問い合わせは同病院健康管理センター(088・871・3602)へ。(松田さやか)