2021.11.23 08:40
別府真衣騎手が高知競馬初!女性調教師に 先輩の父と「県外で通用する馬」育てたい
調教師に転身する別府真衣さん(右)と、父の真司調教師。本名の「宮川真衣」で活動するという(高知市長浜宮田)
真衣さんは2005年10月、17歳で高知競馬の騎手としてデビュー。これまでに女性騎手として全国歴代2位の746勝を挙げた。18年に高知競馬の宮川実騎手(39)と結婚。今後のキャリアを考え、長く競馬に関わることのできる調教師への転身を考え始めたという。
調教師は、競馬で厩舎(きゅうしゃ)を運営し、馬主から競走馬を預かって管理する国家資格。中央競馬、地方競馬とも試験の難易度は高く、狭き門とされる。真衣さんは今年の試験に照準を合わせて勉強を重ね、初挑戦で筆記の1次試験、口頭の2次試験を見事突破した。
合格の一報は今月18日で、「ほっとしたと同時に実感が湧いてきた」と真衣さん。早くも「馬を預けたい」との声があるそうだが、他の厩舎や県外の競馬場で勉強を重ねた上で、来年2月ごろの開業を目指すという。
真衣さんが騎手デビューした当時は存亡の機に直面していた高知競馬だが、苦境を乗り越えた今は活況が続く。そんな高知競馬のために「調教師として一役買いたい」といい、「騎手としてできなかった千勝の達成を」との夢もある。
自らも騎手から調教師になった真司さんは「馬主の信用を得たり、スタッフを育てたりと騎手以上に難しい仕事。それでも一つ一つ勝ちを積み上げ、自分の2千勝を超える調教師になってほしい」と娘にエールを送る。
一方、調教師免許を取ると騎手免許は返上することになるため、「騎手・別府」は間もなく見納めとなる。「『レースに乗れんなる』と思うと寂しい。急すぎて心が追い付かないけど、最後まで全力で乗りたい」。最後の騎乗は28日の予定だ。(大山泰志)