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2024.05.16 06:00

仲間由紀恵インタビュー 名宝展をナビゲート「時代生きた人を近くに感じる」 BSフジ特番「皇室のみやび 皇居三の丸尚蔵館の名宝」 

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 仲間由紀恵と国宝 狩野永徳「唐獅子図屏風」(右隻、部分、桃山時代、16世紀 皇居三の丸尚蔵館収蔵)

 俳優の仲間由紀恵が、皇室の美術工芸品を収める記念展を特集する特番「皇室のみやび 皇居三の丸尚蔵館の名宝」(BSフジ、5月18日午後8時放送)にナビゲーターとして出演する。歴史を伝える数々の国宝を前に、「普通では見ることができない物ばかり。貴重すぎるほど貴重だった」という仲間に話を聞いた。



【目次】


 【(1)思っていた大きさの倍くらい】


 【(2)ドラマを感じた】


 【(3)若冲の観察眼にびっくり】


 【(4)な・か・ま・ゆ・き・え、を探す】


 【(5)漫画を読んでから解き明かしたい】


 【(6)時代生きた人を近くに感じる】





 【(1)思っていた大きさの倍くらい】



 ▼記者 皇居三の丸肖蔵館は昨秋、名前も新たにリニューアルオープン。昨年11月から今年6月まで4期にわたって記念展が開催中です。番組収録で皇室の名品を前にした感想を聞かせてください。



 ★仲間 ガラス越しでなく本物を見る機会もありました。飛沫が飛ばないようにハンカチで口を押さえつつ、本物の近くに顔を寄せて観賞もしました。


 地震や火災などいろいろある中であれだけの物が守られてきたのは奇跡ですよね。美術館関係者の皆さんが気を使われて大事に保存されているのも感じました。



 ▼記者 気になった作品は?



 ★仲間 たとえば教科書で見ていた狩野永徳の国宝「唐獅子図屏風」(桃山時代)は大きいとは知っていたけれど、実際に目の前の実物を見たら、圧巻です。すっごく大きいんですよ。思っていた物の倍くらいっていう印象でした。ぜひ大きさだけでなく色合いなども楽しんでいただけたらと感じました。生きている物を見ているようでした。



 【(2)ドラマを感じた】



 ▼記者 他には?



 ★仲間 「蒙古襲来絵詞」(鎌倉時代)も皆さん写真などで見たことがあるじゃないですか、でもこれも実物をしばらく見ていると、なかなかリアルな戦争図というか。血を流して人が倒れているような衝撃的な絵も描かれていたりして…。



 ▼記者 迫力がある?



 ★仲間 戦いの雄たけびや馬のひづめの音が聞こえてきそうでした。(戦いに参加した御家人が)俺はこんなにすごい戦いでこんなふうにがんばったんだぞっていうのを報告するのに効果絶大だったと思います。画期的な伝え方だっただろうなと思います。現代の私たちが見ても、(当時)こんな衣装だったんだ、こういう武器だったんだ、とか言葉だけではなかなか伝わらない細かいところも絵を見れば分かりますよね。ドラマがあるように感じます。



 【(3)若冲の観察眼にびっくり】



 ▼記者 人気の高い江戸時代の絵師伊藤若冲の代表作「動植綵絵」も見たそうですね。



 ★仲間 色使いと、(描かれた動物が)飛び出してきそうな生き生きとした描かれ方に目を奪われました。私もスタッフも絵の前に立ち止まって、もっとじっくり見ていたいと思うほどでした。



 ▼記者 鶏の絵が特に有名ですね。



 ★仲間 なぜこういう動きを描こうと思ったんだろうって思いました。自分が書こうと思っても絵が下手なのでできないけれども、こんなに動きのある動物を描けないなって思いました。観察力がすばらしかったんだなと思いました。



 ▼記者 魚を描いた水族館のような絵もありますね。



 ★仲間 これはどういう種類の魚か(分かるように)きっちり描いている。バランスがとれていてぐちゃぐちゃにお魚が泳いでいないんです。観察眼にびっくりです。



 【(4)な・か・ま・ゆ・き・え、を探す】



 ▼記者 番組ではナビゲーターとして、見ている人をいざなう役割です。



 ★仲間 今回は視聴者の皆さん目線で私が拝見するという感じです。まったく分からないことが多いので先生方のお話を聞いて。自由な見方や楽しみ方のお話もあったりして楽しめました。



 ▼記者 とはいえ国宝の数々は敷居は高く気軽には見られません。



 ★仲間 たとえば、「書」って何かが書かれているかまず読めないし、分からない。でもその書の楽しみ方も教えていただいたんですけど…。



 ▼記者 どんなふうに楽しむのですか?



 ★仲間 作者によって文字の書き方が違うので、たとえば楽しみ方として自分の名前の文字を探すと良いですよってうかがいました。「な・か・ま・ゆ・き・え」って、平仮名でもどこかに自分の名前の字を見つけてみる。



 ▼記者 なるほど。



 ★仲間 そうすると、「あ、自分の書き方とは違うな」ってまず分かる。その中で自分の気に入った字体というのがあるはずなので、それを探してください、と伺った。ああ、文字ってこんなふうに楽しむんだなと思いました。気に入った字体を見つけたら今度自分の名前を書くときにちょっとまねして、似せてみようかなとか…。そうすると同じ一つの単語でも違う見方になる。



 ▼記者 楽しそうですね。



 ★仲間 長い巻物とか、よく見ると最初のほうは書いた人も慎重に書いているのが分かるんです。それが巻物の後半の方になってくると、文字がリラックスして柔らかくなっている。ちょっと間違えちゃったりとか…。



 ▼記者 親しみが湧きますね。



 ★仲間 そうなんですよ、自分が書いていたらって思うと、「分かる分かる、こういうふうになるよね」って。まずは楽しいなっていうところから入っていただいて、次にじゃあなんて書いてあるんだろう、というように興味が湧く。何度か見ると楽しみ方や見方もちょっとずつ変わっていくと思います。



 【(5)漫画を読んでから解き明かしたい】



 ▼記者 また見たいという作品はたくさんありますか。



 ★仲間 びょうぶはもっと見たいと思いました。「源氏物語図屏風」(桃山時代)に描かれている場面が源氏物語の中のどのエピソードだったのか(詳しい)中身が分かるともっと面白いなって。もう一度源氏物語を…漫画の方を読んでからまたびょうぶを見たらもっと面白いなと思って。



 ▼記者 良いアイデアですね。



 ★仲間 ああ、あのシーンを描いたのかと自分で解き明かしたい。この源氏物語のびょうぶが一面に置かれていたお部屋ってどういうお部屋だったんだろうかと。番組ではそうした面白さも紹介しているので、より楽しんでいただけるのではないでしょうか。



 【(6)時代生きた人を近くに感じる】



 ▼記者 歴史上の人物を演じることも多いですが、インスピレーションを得られましたか。



 ★仲間 信長や秀吉、家康などに仕えた作家が登場するので、「えっ、あの時代私も演じていたけれど(演じた役と)一緒の時代に生きた人がいるんだ」と。こういう美術品を見ると、人間を感じるんです。生きていた人を。


 当時の作家さんは(時の有力者の)クライアントの注文で作品を制作していたと聞きました。信長がきっと絵師の方に「ちょっとこれ描いてくれよ」なんていう機会があったんだろうな、と思うし、秀吉もお茶をたしなんでいたし美術品を注文してきたんだろうな、と思うとその時代に生きた人を近くに感じますね。



 ▼記者 歴史が身近になりますね。



 ★仲間 自分につながるものがあるとより楽しめますね。遠い、教科書の中の話だけじゃないんですね。



(取材・文=共同通信 中井陽 撮影=伊東祐太 ※展示室内カットを除く)

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