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県体写真

2024.05.11 08:00

小社会 コントラスト

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 道路の両側に山積みにされたがれき、土砂崩れでむき出しになった山肌―。過日の本紙に載った能登の被災地の今に、思わず息をのんだ。傷痕の大きさもさることながら、4カ月を経ながら災害直後のような風景に、である。

 現地を訪れていた同僚も同様の印象だったようで、1枚の写真を引っ張り出してきた。写っていたのは能登ではなく、東日本大震災から3カ月たった宮城県南三陸町。あちこちで重機ががれきを撤去し、整地が進んでいた。

 もちろん、かつての東北と今の能登を単純に比べることなどできない。ただ、現状は復旧作業も緒に付いたばかりで、生活やなりわいの復興となるとまだまだ先が長いと言わざるを得ないだろう。

 同じ石川県でも、金沢市など北陸新幹線沿線は大型連休中、延伸効果にわいた。時間とともに、被災地とのコントラストはより鮮明になっているのではないか。

 遠く離れた場所ならなおさらだろう。人口が増え続ける東京では、旺盛な新陳代謝を示すかのように各所で再開発事業のつち音が響き、大阪でも万博への準備が急ピッチで進む。この国のいびつさを感じずにはいられない。

 被災地の復旧はこれから本格化しようが、工事を担う建設業は2024年問題を抱え、人員の確保を懸念する声もあるようだ。地震大国に住んでいれば、誰しもが明日はわが身の話。被災者との心の距離まで広がらぬよう、復興を後押ししなければ。

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